岡田阪神は「負けませんよ」 原巨人は「一番不気味」…専門家が見たセの優勝争い

要所に新外国人配置の巨人が「一番不気味な存在」

 昨年までの2年間で計69セーブを稼ぎ、リーグ連覇に貢献した守護神スコット・マクガフ投手(現ダイヤモンドバックス)がメジャーへ流出。野口氏は「代わりのクローザーは、清水(昇)で務まるかもしれない。しかし、となると、これまで清水が担っていた8回は誰が抑えるのか? 9回のクローザーも大事ですが、これまで8回に清水が“でん”と構え、相手の反撃意欲を削いでいたことも、試合展開の上で非常に大きかったのです」と振り返り、「ベテランの石山(泰稚)、左腕の田口(麗人)らの中から、8回にビシッとはまる投手が出てくれば、3連覇の可能性が高まるでしょう」と指摘した。

 一昨年の最下位から昨季は2位へ躍進したDeNAは、一歩下がって3位予想。「今年もいい戦いはするでしょうが、決め手に欠ける。(昨年10月に)右肘を手術し、復帰時期が不透明な(タイラー・)オースティンが、早い時期にクリーンアップへ戻り定着できるようなら、優勝候補でしょう」と条件付きで評価する。オープン戦では1番に佐野恵太外野手、2番に宮崎敏郎内野手と、首位打者経験者を並べていたが、野口氏は「出塁率の高い佐野を1番、器用な宮崎を2番に置きたくなる気持ちもわかりますが、1、2番に強打者を並べた分、下位打線が弱くなる印象が拭えません」と不安を感じている。

 巨人は昨年と同じ4位としたが、「1番不気味な存在です。計算が立ちにくい外国人頼みのところがあるので、この順位にしましたが、先発2枚、セットアッパー、中堅手という要所に新外国人がいて、彼らがはまれば、一気に優勝争いへ突き抜ける可能性があります」。開幕投手に指名されたタイラー・ビーディ投手、同じく先発要員のフォスター・グリフィン投手、救援のヨアン・ロペス投手、ルイス・ブリンソン外野手と新助っ人にかかる期待が大きい。また、39歳の松田宣浩内野手、38歳の長野久義外野手のベテラン2人を補強した点については、「ムードメーカーや精神的な支えとしての役割を期待しての補強であれば、十二分に果たすと思います」と評した。

「セ・リーグは4位まで、優勝の可能性が十分ある」と予想する野口氏。中日、広島は戦力的にやや劣る印象だ。5位予想の中日は、投手陣が先発、リリーフともに強力だが、セットアッパーのジャリエル・ロドリゲス投手がキューバ代表としてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場後に、音信不通となり亡命したとみられるのは誤算だ。「上位進出には、新助っ人勢や細川(成也、前DeNA)らで得点力をアップすることが必要でしょう」と野口氏は言う。

 新井新監督を迎えた広島は、オープン戦4勝9敗3分(勝率.308)で12球団中最下位に終わった。「新井監督は好人物なので個人的に応援したい気持ちもありますが、昨年同様、抑えの栗林(良吏投手)につなぐまでの中継ぎに不安がある。投手のやり繰り、継投はベテラン監督でも難しいところで、監督就任1年目には厳しい状況と言わざるをえない」と野口氏は予想する。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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