「対戦相手になって改めてさすが」 盟友・山川穂高が見た“オリ森友哉”との初対決
山川は特別な思い「人間としての森ではなく敵としての森と戦っています」
山川は試合後、「僕はあくまで投手と対戦している。森のリードがどうとか考えるとキリがない。キャッチャーの事は、明日以降も関係ありません。今日の平野投手に対しても、(甘めのコースをファウルにした)初球で決めればいいだけだった、と考えています」と、森のリードには触れなかった。一方で「今日は森を褒めるしかないと思います。さすがですよ、あそこで打つのは」と語った。
打者としての森は4打席に立ち、ヒットは最後の打席の値千金弾だけだったが、一塁の守備位置には、単なる敵に対するのとは明らかに違う、複雑な思いの混ざった視線を送る山川の姿があった。山川にとって森は年齢こそ4つ下だが、2013年のドラフト同期で、ともに長年西武打線を牽引してきた盟友なのだ。
山川は「(森とは)その辺にいる仲がいい人とは、レベルが違うくらい仲がいいので」と認め、「ファーストを守りながら森が打席に立つのを、あの目線で見たことはあまりなかった。チームメートとしてやっていた時も打撃は天才的でしたが、対戦相手になってみて改めてさすがです」と穏やかな表情で語った。そして「真剣勝負をしている間は、人間としての森ではなく、敵としての森と戦っていますが、野球が終わればいつも通りです。試合が終わって改めて、森の打撃はさすがだなと思いました」と変わらない友情を示した。
侍ジャパンの一員として第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場していた山川は、大会開幕直前の強化試合で既に森と顔を合わせ、試合前の練習中にはグータッチを交わしていた。殺伐とした因縁ではなく、清々しい友情に彩られた西武と森の対決が今後も楽しみだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)