西武隅田、球団ワースト12連敗の原因は? 克服できていない“魔のイニング”

西武・松井稼頭央監督【写真:荒川祐史】
西武・松井稼頭央監督【写真:荒川祐史】

松井監督「次回はどんな形でも隅田に勝ちを付けたい」

 昨年は計36失点中、初回に12点、4回にも12点を失った。他のイニングは5回に7点、3回に4点、6回に1点を失ったに過ぎない。立ち上がりが苦手な投手は多く、4回は上位打線が2巡目を迎えるイニングではあるが、それにしても極端だった。防御率3.75は決して悪くないのに、1勝10敗と大きく負け越し。契約更改の際には、渡辺久信GMが「味方打線の援護点が少なかったのも事実だが、援護してもらう前に先に点を取られている試合がほとんど。それって、勝てない投手の特色だよね」と苦言を呈した。

 今年も初先発だった5日の楽天戦は、6回3安打1失点の好投だったが、失点はまたもや初回。計5四球と制球にも苦しみ、チームは0-1の零敗を喫した。今のところ、隅田の傾向は昨年と変わっていない。

 それでも松井稼頭央監督は「内容のいいイニングもあった。隅田本人も言っていたように、先頭の四球が非常にもったいない。もっと大胆に投げてもいいんじゃないかと思う」と評し、「ボール自体はいいですから、1つ(白星が)付けば、流れも変わると思う。もちろん、その1つがなかなか難しいのだけれど、次の登坂では援護できるように、どんな形でも隅田に勝ちを付けられるようにやっていければと思います」と擁護した。

 西日本工大時代に大学ナンバーワン投手と呼ばれ、2021年のドラフト会議で4球団の1位指名が重複した実力は伊達ではない。次回こそ、魔のイニングを乗り越え、連敗に終止符を打つことができるか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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