プロ2勝目、オリの20歳新星の“強み” 3球種だけでも…打者苦しめる球速差と精度

最速158キロに達する快速球が最大の武器【写真:荒川祐史】
最速158キロに達する快速球が最大の武器【写真:荒川祐史】

球界の常識変える…武器の快速球はほとんどが153~155キロ前後

 続く4月11日の楽天戦では、前回登板で暴投も記録したフォークの精度を修正し、5回2安打無失点、10奪三振と圧倒的な投球でプロ初勝利を手にする。マウンド上での堂々とした立ち居振る舞いから一変、お立ち台では記念球の行方を聞かれ、「もちろんお母さんに」とはにかむ姿には初々しさが見られ、そのギャップも印象的だった。

 ここ2試合の投球割合を見てみると、最速158キロに達する快速球が最大の武器となっている。ほとんどが153~155キロ前後出ているというのも、球界の常識を変える存在だ。さらに130キロ台後半から140キロ台前半の速度から鋭く落ちる高速フォークで空振りを奪い、120キロ台と大きく曲がるカーブで緩急をつける。球種は3つだけながら、その精度はいずれも一級品だ。

 持ち球の数こそ決して多くはないが、各球種の間にはそれぞれ大きな球速差が存在しており、打者にとっても対応は決して容易ではない。若くして速球と変化球の双方が高い完成度を誇っているところが、山下の非凡な点といえる。3月31日と4月11日の投球の割合を比較すると、直球の割合が増え、変わりにカーブが減少している。しかし2ストライクと追い込んでからは、直球43%に対してカーブ32%、フォーク25%となり、まさしく“全てが決め球”となっている。

左腕が多い“投手王国”で山本に次ぐ剛球右腕としてバランス向上へ

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