プロ2勝目、オリの20歳新星の“強み” 3球種だけでも…打者苦しめる球速差と精度

左腕が多い“投手王国”で山本に次ぐ剛球右腕としてバランス向上へ

 現時点でのオリックスの先発陣は、山本と宮城の左右の両輪が中心で、昨季は防御率2.66で9勝を挙げた田嶋大樹投手と、先発の一角としてリーグ連覇に貢献した山崎福也投手と、有力な左投手が揃っているのが強みの1つでもある。宮城、山崎福、山岡の3人は、快速球で押すというよりも、優れた投球術で打者を手玉に取るタイプの投手。山本に次ぐ剛球右腕として山下がローテーションに定着すれば、先発陣全体における左右のバランスや、投球スタイルの緩急といった面においても、さらなる向上が見込めるだろう。

 ロッテが昨季まで佐々木朗希投手に対して取っていたアプローチと同じく、オリックスも山下に対しては、故障のリスクを極力避けるための慎重な起用が続く。裏を返せば、こうしたアプローチは山下がそれだけの価値を持つ存在であることの証明でもあるだろう。鮮烈なデビューを飾りながらトミー・ジョン手術で長期離脱を余儀なくされた椋木蓮投手の例もあるだけに、山下には順調な成長を期待したいところだ。

 2022年に2軍で記録した好成績を今年のオープン戦での好投につなげ、開幕投手としても見事な投球を見せた山下。故障による長期離脱も経験したが、昨季途中からはハイペースでステップアップを遂げている。12球団でも屈指の強力投手陣を誇るオリックスにおいて、新たに台頭を見せ始めた超新星。今季大ブレークが期待される弱冠20歳の逸材が投じる強烈なボールには、今後さらなる注目が集まってくることだろう。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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