創志学園・門馬監督が目指す5度目の頂点 「全国制覇」の横断幕をバックネットに移した意味

今年最初の練習日、門馬監督は選手の前で頭を下げたという【写真:大利実】
今年最初の練習日、門馬監督は選手の前で頭を下げたという【写真:大利実】

今年最初の練習日…門馬監督は選手の前で頭を下げた

 選抜大会をかけた昨秋は、中国大会準々決勝で光高校(山口)に5-6で惜敗。1回表に4点を先取しながらも、逆転で敗れた。

「4点取ったあと、なおも2アウト二塁で外野へ抜けそうな当たりをセカンドが好捕して内野安打。人工芝の球場で、捕った時の体勢を考えると、ホームで勝負をかけてもよかった。微妙なタイミングでしたが、三塁で止まってしまった。1点にかける執念を、まだまだ詰め切れていませんでした」

 就任しておよそ3カ月。攻める気持ちの大切さを日々伝えてはいたが、潜在意識に落とし込むまでには時間が足りなすぎた。

 2023年最初の練習日。門馬監督はミーティングで、選手たちに頭を下げた。「『全国制覇』と掲げていながら、おれ自身に葛藤があった。おれが悪かった。気持ちがぐらついていた。戦う以上は、最高の目標を掲げて、そこに向けて1日1日積み重ねていきたい」。

 その心の内をこう明かす。「目指す基準をどこに置くか。チームを作るうえで非常に大事なことです。東海大相模は、『アグレッシブ・ベースボール』『日本一』と誰もが理解していて、1年生もその覚悟を持って、入学してきました。親しい監督からは、『相模の選手は覚悟が違う』とよく言われましたが、まさにそのとおり。だから、厳しい練習であっても、気持ちが折れない」。

 今の創志学園ではどうか。「正直、覚悟の違いは感じます。これから、当たり前の基準をどれだけ上げていけるか。そのためにはやはり、一番高いところを目指していく必要がある。そうしなければ、基準は上がっていきませんから」。

 年始のミーティングでは、『全国制覇』を改めて掲げるとともに、目指すべき野球として『アグレッシブ・ベースボール』を口にした。

日頃の練習から「スピード感をどれだけ意識できるか」

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