「大谷翔平の年だ」 WBC制覇で全てが規格外…敵地も熱狂させる人気と高騰する“お値段”

敵地でのプルペン入りにもファンは大注目【写真:小谷真弥】
敵地でのプルペン入りにもファンは大注目【写真:小谷真弥】

「今日はオオタニが取材対応する」 NYメディアも大集合、約50人の囲み取材に

 敏腕記者ですら新契約が読めないのも理由がある。14日(同15日)からのレッドソックス、ヤンキースの東海岸遠征。大谷の人気ぶりは異常だった。フェンウェイパークからの帰りのチームバスの周りには多くのファンが集結。大谷、トラウトは別ルートでの移動を余儀なくされた。17日(同18日)の試合前ブルペンでは二重三重の人垣ができた。「ヤンキースの投手だったらヤジを飛ばす。それがオオタニのブルペンはみんな黙って見ている」。警備員の男性は目を丸くした。

 辛口で知られるNYメディアも虜になっていた。大谷の取材対応は登板日のみ。そのルールは米メディアでも通説となっているが、決勝4号2ランを放った18日(同19日)の試合後に急きょ囲み取材が実施された。「今日はオオタニが取材対応する」。ヤンキース会見場でアナウンスされると、ヤンキース番記者たちも大谷のいる薄暗い通路に集結。50人近くの巨大な囲み取材となった。逆にヤンキース会見場はガラガラになったそうだ。

 1年目に浴びていたブーイングも皆無。選手紹介時に名前がコールされると、本拠地の人気選手のような声援もあがった。両球場とも大谷グッズがチームストアで売られ、レッドソックスのチームストア・ペティット店長は「ショウヘイ・オオタニを欲しがらないチームなんてどこもない。全球団が欲しがる存在だ」と断言していた。

 激闘のWBCから1か月。投手では3勝を挙げ、防御率0.64は両リーグ2位だ。打者でも打率.261、6本塁打、16打点と主軸として結果を出している。これから「世界一の選手」にはどんな未来が待つのだろうか。

○著者プロフィール
小谷真弥(こたに・まさや)1983年、大阪・大阪狭山市生まれ。埼玉・東松山市育ち。明大明治高、明大野球部を経て2006年報知新聞社に入社。地方部(富山・石川)を経て2009年に運動第一部(野球部)へ異動。2009年ロッテ、2010、11年横浜、2012年から巨人、2015年から日本ハム、2017年からメジャー担当。2019年2月からFull-Count編集部に所属。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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