優勝した25年前と雰囲気は「同じ」 DeNA指揮官も絶賛、快進撃を支えるベテランの献身
早出練習常連の大田泰示「ベイスターズの伝統になっていけばいい」
一方で、指揮官は「今の選手は、常時試合に出ている選手も、なかなか打席に立てない選手も、みんなが常に準備をしてくれている。だからこそ、試合の途中から起用しても仕事をしてくれる。“カバー力(カバーリョク)”と言うのか、本当に(殊勲者は)全員なんですよ」とも指摘する。
実際、この日も伊藤光捕手が、6回に4点差逆転の口火となる左中間二塁打を放つなど4打数2安打。守っても好リードで、勝利の立役者となった。伊藤は戸柱恭孝捕手、山本祐大捕手との3人併用の中で、決して多くないチャンスを生かしている。一方、チーム20試合中4試合目のスタメンとなった大田も、6回に左前適時打、延長10回には一塁へのヘッドスライディングで遊撃内野安打をもぎ取り、サヨナラ勝ちにつなげた。
伊藤は34歳、大田も32歳のベテランだが、2人とも早出練習の常連。2人に引っ張られるように、早出に取り組む選手は増えている。大田は「こうして結果が出ると、日々の努力、取り組みに対する疑いがなくなります。調子が出ない時にも、準備を怠らず継続していくことが大事だと思います。それがベイスターズの伝統になっていけばいい」と言う。
2023年のDeNAには、もののけはついていないかもしれないが、“その気”になりつつあるファンと選手がいる。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)