山本由伸の数値超える20歳、165キロ右腕は衝撃の奪空振り率 セイバー目線のパ月間MVP

西武・中村剛也【写真:荒川祐史】
西武・中村剛也【写真:荒川祐史】

39歳・中村剛也がOPSでリーグ1位、本塁打&打率は2位

 次は打者部門の月間MVP選出を試みる。打者評価として、平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合よりも、どれだけその選手が得点を増やしたかを示す「wRAA」を用いる。

 wRAAの上位ランキングは以下の通り。

中村剛也(西武)wRAA12.28、75打席、OPS1.154、打率.364、本塁打7
森友哉(オリックス)wRAA11.39、97打席、OPS1.020、打率.317、本塁打5
柳田悠岐(ソフトバンク)wRAA10.18、94打席、OPS.993、打率.373、本塁打2
外崎修汰(西武)wRAA7.25、96打席、OPS.906、打率.313、本塁打5
杉本裕太郎(オリックス)wRAA7.24、98打席、OPS.894、打率.261、本塁打8
中川圭太(オリックス)wRAA6.19、100打席、OPS.815、打率.295、本塁打2

 上記のランキングに掲載されていないチームのwRAA上位選手は以下の通り。

藤原恭大(ロッテ)wRAA6.04、91打席、OPS.828、打率.298、本塁打2
万波中正(日本ハム)wRAA5.02、90打席、OPS.835、打率.250、本塁打4
太田光(楽天)wRAA3.95、25打席、OPS.949、打率.294、本塁打1

 上位には各球団のスラッガーが名を連ねているが、上位6位のうち3人がオリックス勢だった。最もwRAAが高かったのが22年目の西武・中村剛也。4月11日から4番を任され打率.364、本塁打7はどちらもリーグ2位。OPS1.154はリーグ1位だ。本塁打7本はすべて右投手からで、対右投手の打率は.457、OPSは1.488。対左投手は打率.150、OPS.377となっている。長年に渡り西武打線の中核を担う中村を月間MVPに選出する。

鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。

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