隙の突き合いも「やられると嫌ですね」 盗塁数トップタイ…西武と日本ハムの戦い
「逆に僕たちもどれだけチャンスで走れるか隙を狙っている」
“五十幡ショック”は試合終盤にまで及んだ。8回、4番手で登板した張奕投手がまたもや先頭の五十幡に右前打を浴び、続く江越には2球目の外角高めのストレートを右越え適時三塁打された。足の速い走者が一塁にいると、投手は盗塁を警戒してストレート中心の配球になり的を絞られやすくなりがちだが、それを絵に描いたような場面だった。
西武と日本ハムは、ともにチーム盗塁数が19でリーグトップに並んでおり(2日現在)、この試合でも3つずつと譲らず。個人成績でも、五十幡が今季9盗塁でリーグトップを走り、西武の外崎修汰内野手が2位の7盗塁で続く展開だ。西武も3点ビハインドの6回、外崎の遊ゴロが併殺崩れとなる間に1点を返し、さらに2死一塁で、続く4番・中村剛也内野手の2球目に外崎が二盗成功。押せ押せムードになりかけたが、ここは中村が空振り三振に仕留められた。
西武は今季、盗塁と積極的に次の塁を狙う走塁で格段の進歩を見せているからこそ、開幕前のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で右手小指を骨折した源田壮亮内野手、この日故障から23日ぶりに復帰した山川穂高内野手を欠いてもなお、首位争いに踏みとどまってこられたと言える。
松井監督は「ライオンズの攻撃もそうですが、チャンスがあればどんどんいくというアグレシブさは、やられるとやはり嫌ですよね」と苦笑。「次はなんとか防げるように、逆に僕たちもどれだけチャンスで走れるか隙を狙っているので、引き続き足を使いながらやっていきたい」とリベンジを誓った。豪快な本塁打の打ち合いもいいが、この日のような走り合い、隙の突き合いも、それはそれでワクワクさせられる。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)