打率1割台の村上宗隆に「兆しは見えてきた」 専門家が評価する“4番の仕事”
昨季の3冠王はここまで打率.156、2本塁打も12打点はチーム2位
■巨人 8ー7 ヤクルト(3日・東京ドーム)
ヤクルトは3日に行われた巨人戦(東京ドーム)に7-8で敗れ、連勝は2でストップした。6点差をひっくり返される痛恨の逆転負けとなったが、ファンが気になるのは昨季の3冠王・村上宗隆内野手の状態だろう。打率1割台と大不振に陥っているが、野球評論家の新井宏昌氏は「状態が悪いなりに最低限の仕事はしている。復調の兆しも少しずつ見えてきた」と、指摘する。
村上はここまで27試合に「4番・三塁」で出場し打率.156、2本塁打と昨季の3冠王にとっては寂しい数字が並ぶ。だが、12打点はオスナ(13打点)に次ぐチーム2位で、得点圏打率もチーム3位の.292を記録。新井氏は「もちろん、満足できる成績ではないでしょうが、苦しみながらも最低限の仕事は果たしている」と、そこまで悲観する内容ではないという。
この日の5打席についても「バランスもよく、強いスイングはできているので悪くない。打球が上がらないと言われますが、それはコースの問題もある。凡打に倒れた打席も内容は良かった」と新井氏は振り返る。
初回2死二塁で迎えた第1打席は秋広の好守に阻まれ左飛に倒れたが、放物線を描きあと一歩でスタンドインする打球だった。3回先頭の第2打席は痛烈な右前打、8回の第4打席は左腕・大江の前に二ゴロ併殺に倒れたが「打球は正面をついて併殺となったが、外角低めのスライダーをしっかり捉えている。悪い状態の時なら空振りに終わっている」と、復調の兆しが見ているという。
普段のシーズンとは違いオフは急ピッチに状態を仕上げ、WBCでは「日本の4番」の重圧とも戦った。早い段階でコンディションのピークを持ってきたことで、世に言う“WBC後遺症”の影響は多少なりともあるだろう。
「多くの選手はゴールデンウイークが明けるまで、シーズンのリズムは掴みづらい。ナイター、デーゲーム、移動ゲームが多くスケジュールという部分でリズムを作るのが難しい。また、今は最も最初の疲れが出る時期。5月の連休を終えたあたりで、どのような姿を見せているか期待したいところです」
リーグ3連覇を目指すチームにとって村上の活躍は必要不可欠。史上最年少で3冠王に輝き、日本人最多の56本塁打を放った背番号「55」の復調が待たれる。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)