阪神・村上に重なった213勝の“精密機械” 元虎右腕が絶賛「末恐ろしい投手」

阪神・村上頌樹【写真:荒川祐史】
阪神・村上頌樹【写真:荒川祐史】

野田浩司氏「2回スライドも関係ない投球はすごい」

■ヤクルト 1ー0 阪神(9日・甲子園)

 阪神の3年目右腕・村上頌樹投手が開幕からの連続イニング無失点のセ・リーグタイ記録をマークした。9日のヤクルト戦(甲子園)に先発して6回までゼロに封じて1963年の中井悦雄投手(阪神)の31回に到達した。しかし7回、サンタナに一発を浴びて、新記録はならず。味方打線の援護もなく7回1失点で敗戦投手になったものの、阪神、オリックスで活躍し、日本記録の1試合19奪三振も達成した野球評論家の野田浩司氏は「末恐ろしい投手」と断言した。

 またも好投だった。プロでは2軍で経験していたものの、1軍公式戦では初の本拠地・甲子園登板。2016年、智弁学園3年春の選抜で優勝投手になった思い出の聖地で躍動した。7回を103球5安打1失点。8奪三振で、与えた四球は1だった。雨の影響で先発予定が2度流れ、連続スライドによる中9日での出番。難しい調整の中、きっちりゲームをつくった。

 野田氏は「2回スライドでも全然関係ないピッチングだったのはすごい。これまでに経験がないピッチャーが監督の期待に応える内容を出すなんて簡単なことではない。3回続けて緊張しなければいけなかったわけですからね」と称賛する。さらに、ここまでの村上の登板舞台が京セラドーム、東京ドーム、バンテリンドーム、神宮、甲子園とすべて違う点にも着目した。

 4月1日のDeNA戦(京セラドーム)は2番手で1回1安打無失点、4月12日の巨人戦(東京ドーム)は7回無安打無失点のパーフェクト投球。4月22日の中日戦(バンテリンドーム)は9回2安打無四球無失点でプロ初勝利を完封で飾り、4月29日のヤクルト戦(神宮)は8回2安打無失点で2勝目。そして、この日のヤクルト戦(甲子園)と「どの球場で投げても同じような結果を出している。これもすごいですよ」とうなった。

 2回に村上、サンタナに連打を浴びて無死一、二塁となったが、慌てない。オスナをフォークで三振、長岡、古賀は連続で捕邪飛に封じた。3回も1死から塩見に四球を出したが、青木を遊ゴロ併殺打で切り抜けた。要所はピシャリと抑えた。

「今日は絶好調ではなかったと思う。普通にいいなぁぐらいだったけど、バッターはそれでも打ちにくそうにしている。全般的に真っ直ぐに差し込まれていた。やはりボールがスピードガン以上にきているんでしょう」と野田氏は話す。打席に立って初めてわかる村上のボールのキレと威力。それはバッターの反応でもうかがえたというのだ。

「本当に低い所にボールが集まってくる」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY