離脱者続出…オリの救世主が右肩に刻み込んだ「自分の絵」 初安打で思い返す“原点”
同僚から借りたユニホームで快打「運がもらえたのかな」
■オリックス 10ー4 日本ハム(21日・京セラドーム)
二塁ベースに到達すると強く両手をたたき、左手で右肩をそっと押さえた。19日に育成契約から支配下選手登録されたオリックスのレアンドロ・セデーニョ内野手は21日に京セラドームで行われた日本ハム戦の2回、1死一、三塁から来日初安打となる2点適時二塁打を放った。記念球がベンチに戻されるのを確認すると“原点”を思い返した。
ベネズエラ出身のセデーニョは自身の右肩に、大きなタトゥーを入れており「自分の絵なんです。自分が初めてプロとして契約した日とホームタウンを書いています」。ハットを被った右打者がスイングするようなイラストを刻み「29-06-14」と記念日を体に残していた。
育成契約で来日し、この日が1軍3試合目。「10打数ノーヒットになるかと心配だったけど、早めにヒットを打つことができて、よかったです」と来日5打席目での安打を喜んだ。5回無死二、三塁からは左翼へタイムリーを放ち、計3打点。「我慢強く、簡単に三振しない気持ちで打席に入りました」と笑顔を見せた。
この日は育成時代の「121」でもなければ、支配下入りしてもらった「40」でもない背番号「020」で試合に臨んだ。「単純に間に合わなかった。山中から良い運がもらえたのかな」と、ユニホームを貸してくれた育成の山中尭之外野手への感謝を忘れなかった。応援してくれる妻も、まだ「121」のユニホームを着ており「毎日支えてくれる妻に感謝したい。新しいのが出来しだい(40番を)着てもらおうと思う」と嬉しそうに話した。
中嶋監督は助っ人の活躍に「打ってくれて本当にありがたい」と評価した。チームではマーウィン・ゴンザレス内野手が19日に右足第二指骨折との診断を受け離脱。フランク・シュウィンデル内野手も19日に登録抹消されており、現在1軍にいる助っ人野手はセデーニョのみ。野望を抱いて海を渡ってきた助っ人の奮起に期待がかかる。