村上宗隆は「まだ楽しそうじゃない」 球団OBが分析…問題点と復調へのポイント

ヤクルト・村上宗隆【写真:小林靖】
ヤクルト・村上宗隆【写真:小林靖】

飯田哲也氏が分析…ポイントが近く「今まで打っていたところがファウルに」

 日本選手として歴代最多の年間56本塁打を放ち、史上最年少で3冠王獲得。昨シーズンこれ以上ない猛打をふるったヤクルトの村上宗隆内野手が、今季は苦しんでいる。球団OBで現役時代に盗塁王に輝くなど、走攻守3拍子揃った外野手として活躍した評論家の飯田哲也氏も「信じられない。不思議です」と驚く。現状を分析してもらった。

 村上は3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で野球日本代表「侍ジャパン」の中軸を担った。大会前半は結果が出なかったものの、準決勝のメキシコ戦で逆転サヨナラ二塁打、決勝の米国戦では同点本塁打。世界一に貢献した。そして広島との開幕戦でも最初の打席でバックスクリーン左へ豪快にアーチをかけた。ところが、以降はなかなか状態が上向かない。「いい形でスタートを切れたと思ったんですけど……。あれだけの選手がこんな風になるとは」と飯田氏は語る。

 三振数はリーグワースト。長距離打者の宿命で数自体はさて置き、その内容に問題があると指摘する。「技術的には打つポイントが近すぎます。タイミングを取るのが遅いように見えます。だから変な三振が多い。本人も『あれー』って顔をしています。今まで打っていたところが全部ファウルになっちゃう」。練習で課題克服に取り組んでいるはずだが、「打撃投手のボールは遅いので、どうにでもなります。試合は150キロですからね。全然違います」。修正は容易ではない。

 村上のみならず、WBC組は故障や不調に陥った選手も多い。激闘の“後遺症”なのだろうか。飯田氏は「僕は経験がないので」とした上で、「いっぱいいっぱいでやってきたので、相当しんどいと言ってました」と山田哲人内野手と交わした会話の一端を明かす。実際、山田は4月中旬に下半身のコンディション不良でいったん離脱した。

 WBC組は所属球団の通常のキャンプを途中で離れ、代表合宿に合流した。実戦を中心とした調整を行い、大会では日本から決勝ラウンドの舞台・米国へ移動。一挙手一投足が話題になる程に注目され続けた。帰国すると約1週間でシーズンを迎えた。

ヤクルトの浮上は「村上待ちです」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY