村上宗隆は「まだ楽しそうじゃない」 球団OBが分析…問題点と復調へのポイント

ヤクルトの浮上は「村上待ちです」

 山田はまた、「試合、試合と続くので打ち込みがなかなかできない。普段の年のキャンプより少なかった」とも語っていたという。気持ちを高ぶらせて優勝し、休む間もなく開幕。飯田氏は「やはりキツイですよね」と推し量る。

 村上は13日の中日戦で今季初の1試合2本塁打、猛打賞もマークした。それでもペースが上がって来ない。「よっしゃー、と思っても続かないとなると、あの2発はたまたま偶然かなと考えてしまうんですよね。バッターは繊細なんです。確信じゃないと、これでいいのかなという打席が続いちゃう。『これだ』というスイングになってないので心配は心配です」。

 それでも四球数はリーグの上位。「いくら打率2割そこそこでも、投げている方としては絶対に怖い。甘い球はいかれる意識はあるので、四球は取れます。村上も我慢はできています」。不振でも存在感は相手バッテリーに脅威を与えている。

 リーグ3連覇を目指すヤクルトだが、チーム状態もなかなか上向いてこない。「村上の場合、本人だけの問題じゃなくチームの問題。一番いいバッターが4番なんで。4番が打たないと勝てません。浮上は村上待ちです」。

 シーズンも序盤が過ぎ、昨年はMVPを受賞した交流戦が迫る。「村上は、まだ楽しそうじゃない。チームを引っ張っていく表情が見えない。パ・リーグは投手が強力でより大変そうです。でも逆に、そこで打てたら戻るきっかけになるのでは」。30日から始まる交流戦が、今季の試金石になるのかもしれない。

(西村大輔 / Taisuke Nishimura)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY