まさかの“入れ違い”に「あれは完全に僕の失敗です」
あどけない笑みで“タメ口”の真相を明かした。オリックスの宮城大弥投手は3月に行われた第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に侍ジャパンの一員として出場し、3大会ぶりの世界一に貢献した。その期間中、投打二刀流の活躍を披露するエンゼルス大谷翔平投手との「心の距離感」がグッと縮まる出来事があった。
「あれは完全に僕の失敗です。そのミスをうまく拾ってくださった。一気に仲良くなるきっかけをくれた出来事でした」
宮城はある日、同学年のロッテ佐々木朗希投手と「喋ったままトイレに一緒に行った」とのことで「ろうたんと、話を続けていたら……」と苦笑いを浮かべる。2人は並列したまま立ち、壁に視線を送っている……はずだった。
「相手がろうたんだと思って、そのまま話を続けていたら、横にいたのが翔平さんだったんです(笑)。最初、全く気がつかなくて……」
気心の知れた相手に“タメ口”で話す宮城に「うん、うん。それで?」と大谷は会話を乗せた。「普通に喋っていたら、真横に翔平さん。一瞬、え? ってなりました。ただ、そこがきっかけ。『そのままタメ口でいいよ』と言ってくださって、僕はノリで『じゃあ、よろしく!』と返事を。そんな感じで急展開で、仲良くさせて頂きました」。
7歳差の“タメ口”が空気感を作った
世界一になった直後には「宮城家」との記念撮影にも快く応じてくれた。「WBCの期間で、ものすごくお世話になりました。食事にも連れて行ってもらった。話を聞いていても、少し次元が違うというか……。刺激でしかなかったです」。ブルペン投球での“破壊力”に衝撃を受けた。
「体も大きくて、柔軟性もすごい。何よりも、野球を楽しんでいた。そこが、僕は本当にすごいなと思ったところでした」
ともに勝利を追う仲間とのコミュニケーションは必要不可欠。28歳と21歳。7歳差の“タメ口”は、金メダルを呼ぶ空気感を呼んでいたのだった。
○著者プロフィール
真柴健(ましば・けん)1994年、大阪府生まれ。京都産業大学卒業後の2017年、日刊スポーツ新聞社に入社。3年間の阪神担当を経て、2020年からオリックス担当。オリックス勝利の瞬間、爆速で「おりほーツイート」するのが、ちまたで話題に。担当3年間で最下位、リーグ優勝、悲願の日本一を見届け、新聞記者を卒業。2023年2月からFull-Count編集部へ。
(真柴健 / Ken Mashiba)