日本での収穫は「年中ショウヘイを見られたこと」 逆輸入右腕が語る魅力…教わった武器

レッドソックスのクリス・マーティン(左)【写真:川村虎大】
レッドソックスのクリス・マーティン(左)【写真:川村虎大】

大谷とは1度だけ対戦し被弾「フェンスの上にあたったギリギリのHRだった」

 メジャーで大谷とは2018年に、レンジャーズに所属していたときに、1度だけ対戦している。9月26日(同27日)、同点の8回に左翼へ運ばれた。その時の話を聞くと静かに「覚えてるよ……」と苦笑いした。打たれたのは155キロのフォーシーム。「直球を投げて逃げおおせるつもりだったが……覚えているよ、フェンスの上にあたった、つまりギリギリのHRだった。いい選手だ」と振り返った。

 今でも球場に行けば大谷と野球談議に花を咲かせる。日本ハム時代の通訳、水原一平氏を交えてだ。「彼がすることを見たり、試合に向けての準備を見たりすることで学んだ。彼を見ていて粋だったし、彼から学んだことも粋なことだった」。最近はスプリットの握り方を教わった。36歳の右腕は8個下の“後輩”からでも学ぶ姿勢を崩さない。

 3月22日、マーティンが自身のインスタグラムにあげた写真は野球日本代表「侍ジャパン」の日本ハムメンバーの集合写真だった。「Brought back a lot of memories watching these guys. Congrats to team Japan.(彼らを見て沢山の思い出がよみがえった。日本チームおめでとう)」と記してある。「ファンの応援にも感謝しているよ。僕のインスタのフォロワーの多くはいまだに日本の人たちだ。今でも僕をフォローしてくれていることは本当にすばらしいことだよ」。大谷、そして札幌の日本ハムファンと過ごした2年間は、かけがえのないものになっていた。

著者プロフィール
〇川村虎大(かわむら・こだい)1998年2月、茨城・土浦市出身。土浦一高から早大に進学。早大では軟式庭球部に所属するかたわら、ソフトテニス専門誌に寄稿。2021年からFull-Countに所属し、2023年からエンゼルスを中心にMLBを取材。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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