セの“明暗”はなぜ生まれた? 専門家が見たヤクルトと首位阪神の差「言うまでもない」
大竹、村上が生んだ「うれしい誤算」…不調の西勇と青柳も“上がり目”
一方、野口氏が開幕前に優勝候補の本命に推していた阪神は順調そのものだ。「特に大山(悠輔内野手)が全試合で4番を張り、安定した働きをしていることが要因だと思います」と指摘。「もともと投手力は高く、打線次第のチーム。大山は何番を打たせてもチャンスに回ってくる不思議な運を持っている選手ですが、今季は数字(打率.303、5本塁打、29打点)以上に、打ってほしいところで打ち勝負強さを発揮しています」と分析する。
3・4月に不振だった佐藤輝明内野手が調子を上げ、リーグトップタイの30打点、トップに1差の8本塁打をマークしているのも心強い。野口氏は「私が試合前のフリー打撃を間近で観察させてもらった限りでも、開幕当初と最近ではスイングの鋭さが全く違う」と証言する。
投手陣では、現役ドラフトでソフトバンクから獲得した大竹耕太郎投手が、リーグ単独トップの6勝、防御率0.40の大活躍。3年目の村上頌樹投手も4勝、1.47と進境著しいのは「うれしい誤算」(野口氏)。一方、実績のある西勇輝投手は2勝3敗、4.47とやや振るわず、青柳晃洋投手は2勝3敗、5.63で現在2軍調整中だが「西勇には復調の兆しが見えていますし、青柳もこのままでは終わらない。チームにとって“上がり目”と言えると思います」とプラスにとらえている。
「大竹と村上がこの勢いのままシーズンを通せるかは未知数ですが、才木(浩人投手)、伊藤(将司投手)も安定していて、チームとして今後大きく崩れることはないと思います」と太鼓判を押す。
今季は開幕4連敗から始まり、その後も7連勝したかと思えば6連敗もあるDeNAなどを含め、波乱要素もあるセ・リーグ。交流戦中にどんな変動をきたすのか、目が離せない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)