松井稼頭央2世どころか「10世くらい遠い」 西武・川野涼多の本音「監督に会いたい」

西武・川野涼多【写真:篠崎有理枝】
西武・川野涼多【写真:篠崎有理枝】

かつては遊撃にこだわりも…考えに変化「出られるならどこでも」

 試合に出て経験を積むことの大切さも学んでいる。入団1年目は、当時2軍を指揮していた松井監督の言っていることが理解できないこともあった。だが、実戦を積むことで分かることが増えてきた。そのため、かつては遊撃にこだわりがあったが、今は「出られるならどこでも」と考え方が変わった。

「『こういう風にボールに入っていくというのは、こういうことだったんだな』『こういう守備位置で守ったほうがいいというのは、こういうことだったんだな』と、いろいろな状況でプレーして、学んでいます。試合に出続けることでわかることもあるし、1軍では試合に出なければ残れない。出られるならどこでもやります」

 今春のキャンプはA班スタートを切ったが、現在は3軍に甘んじており、実戦機会も少なくなっている。29日現在で2軍で2試合に出場、3つの失策を記録した。「守備でたくさんミスをしました。今は徹底的に守備を鍛えています。打率も上げたいですが、試合に出ることができない。甘い世界じゃないなと痛感しています」と、悔しさをにじませる。

 子どもの頃から松井監督がスーパースターだった。高校時代は、DVDを見て守備を学んだ。「『なんでこういうことができるんだ?』『何がどうなっているんだ?』と思いながら見ていました」。その松井監督が今季から1軍の指揮を執っているため、話をする機会がなくなってしまった。「監督に会いたいです。自分が1軍のロッカーに行くわけにはいかない。3軍の選手が何をしに来たんだと言われてしまう。1軍に上がって堂々と会いたいです」。

 松井監督からは「俺2世ではなく、俺を超えないとダメだぞ」と言われている。「今は2世どころか、10世くらいじゃないですか。そのくらい遠いです」。苦悩の日々を送る21歳の内野手が、さまざまな課題を克服し、憧れの存在を超える活躍を見せてくれる日を待ちたい。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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