貧打中日が一瞬で得た“リーグ2位の強打者” 生え抜きたちが苦しんだ「最大の懸案」

中日・細川成也【写真:矢口亨】
中日・細川成也【写真:矢口亨】

セイバーメトリクスの指標でリーグ屈指の数値叩き出す

 長い低迷にあえぐ中日が抱えてきた“最大の懸案”に、今年こそ終止符が打たれるかもしれない。現役ドラフトでDeNAから加入した細川成也外野手は、ここまでチームトップの5本塁打、打率.337をマーク。セイバーメトリクスの指標でもリーグ屈指の数値を叩き出しており、チームにとって悲願だった和製大砲誕生の兆しが漂っている。過去にも“覚醒まであと一歩”までいった候補者はいただけに、真のブレークへこれからが勝負どころとなる。

 打者にとっては不利な広い本拠地も、もはや関係ない。今季5発のうち、3発がバンテリンドーム。5月27日のDeNA戦では、逆方向弾を含む1試合2発で度肝を抜き、苦しむチームに大きな光をもたらした。5月下旬以降は3番に定着。チームの貧打が解決したわけではないが、打てる主軸が出現したことで状況は好転しつつある。

 セイバーメトリクスを用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)によると、打撃での得点貢献を示す「wRC+」はリーグ2位の「188」。平均的な打者は100とするため、1.88倍の貢献を果たしていることになる。リーグトップのDeNA・宮崎敏郎が「233」と頭ひとつ抜けているが、チームが低迷する中での細川の奮起は数字上でも際立っている。

 さらに平均的な打者に比べてどれだけ得点を増やしたかを測る「wRAA」はリーグ4位の「15.6」で、総合的な貢献度を表す「WAR」はリーグ5位の「2.1」。主な打撃指標は軒並み上位につけ、もちろんチームダントツとなっている。プロ6年間で通算6本塁打だった未完の大器は、現状のデータでは一気にリーグ屈指の強打者にまで駆け上がっている。

生え抜きの大砲候補たちはブレーク寸前までいくも…

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