お立ち台で異例の「すみませんでした!」 開口一番で阪神ファンに“懇願”のワケ

阪神戦で今季1号を放った西武・川越誠司【写真:矢口亨】
阪神戦で今季1号を放った西武・川越誠司【写真:矢口亨】

2軍ではリーグトップの7発、ようやく訪れた1軍での出番

 翌31日は「2番・右翼」でスタメン出場し、1打数無安打、2四球1犠打。そして1日も2試合連続でスタメンに名を連ねた。5回1死一塁の場面で阪神先発の左腕・伊藤将司投手のカットボールを一閃すると、今季1軍初安打が本塁打になった。「打った瞬間、行ったと思いました。でも、自分は決してホームランバッターではない。2軍でも、いいスイングができて、結果的にホームランになっていただけです」と語る。

 一方で戸惑いも。31日は初回無死二塁の場面で、内角高めのスライダーにやや体をそらしながら送りバントを決め、この日も同様の初回無死二塁でバントを命じられた。投前への打球が強すぎ、二塁走者の源田壮亮内野手が三塁でタッチアウトになった。川越にとっては前日の犠打が2年ぶりで、昨季は1軍でも2軍でも犠打は記録されていない。バントの機会が少ないだけに“情状酌量”の余地はありそうだが、「サインが出ている以上はやるしかないですし、チーム打撃をできるようにならないといけない。練習します!」と言い訳はしなかった。

 風貌は短髪のパンチパーマという強面だが、心優しき北海道出身。投手としてプロ入りし、4年目の2019年から正式に外野手へ転向した変わり種でもある。1日現在、パ・リーグ5位に低迷している西武だが、川越の1軍昇格とともにセ・リーグ首位の阪神を2勝1敗で撃破し12カードぶりの勝ち越し。波乱万丈の男が、チームを浮上させるか。

【実際の場面】虎ファン一色の中にポーン 記念球をプレゼントしてしまった川越はあたふた…

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