「思い出作り」と言われた重責過ぎるマウンド 日本中を欺いた…大一番の“奇襲先発”

先発・川端でどよめいた西武球場…3回1失点で降板

 試合当日、メンバー発表で広島の先発が判明した時は球場もどよめいた。「翌日の新聞に(西武監督の)森(祇晶)さんの『えって思ったけど、大下のことだから何かしてくる予感はした』みたいなコメントが載っていたのも覚えている」と川端氏は振り返る。

 とはいえ、王手をかけた試合での先発だ。緊張感もハンパではなかった。試合をぶち壊したら、それこそ、何をいわれるかわからないと身震いした。そんな中、結果は3回1失点。大下ヘッドに言われた3回2失点以内のノルマをクリアした。「3回を投げ終わった時に、大下さんに『どや』と聞かれたので『大丈夫です。5イニングいけます』と言ったんですけどね、『いや、いい。もう代われ』って」。

 試合は1-6で敗戦。第7戦も敗れて、広島は日本一になれなかったが、川端氏は「日本シリーズで僕が先発したという記録は残っているわけですからね。使ってもらって感謝ですよ」という。後に大下氏にはこう言われたそうだ。「あれはお前、いい思い出作りや」と……。

「それにしてもあの頃の西武は強かったですよねぇ。秋山、清原、デストラーデ……。みんな体もでかかったしね」としみじみと振り返った。そんな強力レオ打線に挑んだ大舞台の先発マウンド。白星こそつかめなかったものの、大下氏の言う通り、まさにいい思い出となった。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY