西武期待の21歳が“宮崎敏郎打法”で開眼 レギュラー奪取へ…打撃の“悪癖”を逆利用

3号ソロを放った西武・長谷川信哉【写真:小林靖】
3号ソロを放った西武・長谷川信哉【写真:小林靖】

貫禄の“確信歩き”「打った瞬間に入ると思ったので」

■中日 2ー1 西武(9日・ベルーナドーム)

 西武は9日、本拠地・ベルーナドームで行われたヤクルト戦に2-1で競り勝った。2日前の7日・中日戦でサヨナラソロを放ったばかりの21歳の新鋭、長谷川信哉内野手が「6番・中堅」でスタメン出場し、1点ビハインドの2回に同点3号ソロを放つなど、3打数2安打1打点と活躍。シーズン途中の大幅な打撃フォーム改造が、功を奏している。

 貫禄の“確信歩き”だった。1点を追う2回、先頭で第1打席に立った長谷川は、ヤクルト先発の左腕ディロン・ピーターズが真ん中付近に投じた146キロのツーシームをフルスイング。打球が高い放物線を描いて左翼席中段に飛び込むのを、5、6歩、歩きながら確認した後ゆっくりと走り出した。「打った瞬間に入ると思ったので、ちょっと打球を見ました。すごく気持ちよかったです」と照れ笑いを浮かべるプロ3年目の新星。チームはこの回、続く平沼翔太内野手の右前打を足がかりにチャンスをつくり、源田壮亮内野手の右前適時打で一気に逆転した。

 松井稼頭央監督が試合後の記者会見で長谷川を称賛したのは、本塁打よりも、むしろ4回1死走者なしでの第2打席だった。初球にセーフティバントの構えを見せたのだ。外角高めに外れるボール球だったため、バットを引いて見送ったが、指揮官は「あそこが大きく成長しているところ。ハセ(長谷川)は長打も魅力ですし、足も魅力ですが、ああいういやらしさが出ると、もっともっと幅が広がる。非常に楽しみです」と評した。長谷川自身「常にファーストとサードの守備位置は、横目で確認しています。第1打席より第2打席の方が、サードの村上(宗隆)選手が後ろに下がったのが見えたので、狙ってみました」と笑顔で明かした。

 日の出の勢いである。今季1軍初昇格したのが5月10日。同30日には体調を崩し「特例2023」の対象選手として抹消されたが、3日後の6月2日に復帰。この頃、大幅な打撃フォーム改造に着手していた。

フォーム改造後実戦初スイングでサヨナラ弾

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