西武期待の21歳が“宮崎敏郎打法”で開眼 レギュラー奪取へ…打撃の“悪癖”を逆利用
フォーム改造後実戦初スイングでサヨナラ弾
嶋重宣打撃コーチから「ヒッチ(テークバックの際にグリップを上下させる動作)をうまく使った方がいい」とアドバイスされ、参考にしたのが、DeNA・宮崎敏郎内野手の打撃フォームだった。3日からのDeNA3連戦では試合前のフリー打撃、試合中を通じ、両リーグでトップの打率.384を誇る宮崎のフォームに目を凝らした。その後も動画投稿サイトでチェックを怠らない。
以前の長谷川はスタンスを広く取り、両腕を伸ばした形で体の正面にバットを立てて構えていた。現在はスタンスを狭め、グリップを体に引き寄せて構えている。左足のかかとを上げて投球を待つところなどは、確かに宮崎によく似ている。フォーム改造後実戦初スイングはなんと、途中出場した7日・中日戦で9回に放ったサヨナラソロだった。
新フォームの効果は、数字でも実証されている。最新機器で計測した結果、以前のフォームの時よりも、スイングスピード、パワーがともにアップし、スイングの軌道も水平に近くなったことがわかった。
西武では秋山翔吾外野手(現広島)が2019年限りで退団後、鈴木将平、若林楽人、愛斗ら数多くの若手が外野のレギュラーの座に限りなく近づきながら、いずれも不振や怪我で遠のき、いまだ固め切れずにいる。新たな挑戦者として名乗りを上げた長谷川は、「レギュラーを取るために必要なことは、毎試合打つこと。ヒットを打って、四球を取って、塁に出ることだと思います」とシンプルに言い切り、次の試合へ視線を向けた。