敵コーチから「本当にタフになったな」 自身3連敗でも…西武エースが示した成長
契約更改交渉でメジャー移籍の意思伝えスケールアップ
中村剛也内野手の故障などで、西武打線の得点力が落ちているのは確か。松井稼頭央監督は「1、2点を守っていかなければならないのが現状ではあると思う。とは言え、1失点の光成に負けがつくというのは……。ナイスピッチングだったと思うし、光成になんとか勝ちを、という思いはみんなにある。こちら(首脳陣)も、しっかり指示を出せるようにやっていきたい」と苦虫をかみつぶした。
「最低限の仕事はできたかな、という感じです」。高橋は報われなかった7回111球の熱投を振り返り、あくまで淡々と語った。帰途に就く際には、球場駐車場で、プロ1年目の2015年まで西武の1軍コーチを務めていたヤクルト・河田雄祐外野守備走塁コーチとバッタリ顔を合わせ、「おまえ、タフになったな。本当にタフになった。最後まで球威が落ちないものな」としみじみ賛辞を贈られた。「いいえ、結構バテていました」と謙遜したが、河田コーチの言う通り、今季の高橋はシーズン半ばにも満たない現時点で既に、自己年間最多に並ぶ2完投をマークしている。
契約更改交渉の席上で、将来的なメジャー移籍の希望を初めて球団に伝えて臨んだ今季、3年連続開幕投手を務め、これまで勝利数こそ伸びていないが、一回りスケールが大きくなった印象がある。西武としては好調のエースに白星をつけ、一気に上昇気流に乗りたいところだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)