阪神・大竹は「尾を引くことない」 今季初黒星も高評価は不変…虎OBが分析する“進化”

8回続投…岡田監督の選択は「当然かなと思って見ていました」

 阪神・岡田監督が8回も大竹続投を選択したことも野田氏は「僕も当然かなと思って見ていました。あれが5、6、7回のどこかでピンチでもつくって球数もいってれば、交代となったでしょうけど、完璧だったんでね」。守護神・湯浅の不安定さなど中継ぎ、抑えが確立されていない状況もあるとはいえ「今年の大竹に対する信頼感はハンパなものじゃないでしょうからね」と付け加えた。

 今後の大竹に関しても野田氏は「今日の負けが次に影響するというのはないでしょう」と予測する。「負けて悔しいとは思うんですけど、僕が大竹の立場だとしたら、やっぱり同点で100球近くいっていた8回のマウンドにいかせてくれた監督からの信頼感をまず感じます。打たれてしまったけれど、そのことは余計意気に感じると思います」。

 現役ドラフトでソフトバンクから阪神に移籍した大竹だが、かつてトレードで阪神からオリックスに移籍した経験がある野田氏は17勝をマークした移籍1年目の自分と重なる部分も感じているそうだ。「チームが変わったことによって違った目で見てくれるというのは無茶苦茶大きいんですよ。僕はまさしくそうでした。阪神の時は終盤になると打たれるとのイメージがあったし、そう思われていたと思うんですが、オリックスではそれがなかった。新しい目で見てくれて完投も増えましたからね」。

 それが大竹にも当てはまる。「阪神の首脳陣は昨年までの大竹の見方は全くしていないと思う。キャンプ、オープン戦からずっと。本人も一からって気持ちになって、いい結果が出ていると思います」。その上で「何勝するとかはわからないけど、ローテーションをきっちり守って、かなりの数は勝てるんじゃないかと思います」とも口にした。

 敗戦投手になっても、防御率1.24は堂々たるセ・リーグトップの大竹。1シーズンフル稼働の経験こそないが、野田氏は「それも大丈夫と思いますよ。案外1年はいけますよ。そりゃあ疲れは出てくるでしょうけど、しっくりきていなくても何とかできる。今日なんかまさしくそうだったわけですからね。もちろん故障だけは駄目ですけどね」。阪神でのさらなる進化が期待される。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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