感動の再会→翌日に消えたロッカー わずか1日…マイナー降格で見た厳しい現実
レイエスは初昇格で1回1失点→翌日にマイナー降格
ロッカーに書かれた「Reyes」の文字は1日で他の名前に代わっていた。エンゼルスは11日(日本時間12日)、ジェラルド・レイエス投手をマイナー降格させたことを発表した。前日10日(同11日)に今季初昇格。わずか1日での降格だった。
クラブハウスに明るい雰囲気が漂っていた。10日(同11日)、最速105.5マイル(約169.8キロ)右腕ベン・ジョイス投手が15日間の負傷者リスト(IL)入りしたことにより、急遽昇格のチャンスが回ってきた。カルロス・エステベス投手やホセ・ソリアーノ投手らとハグして会話に花を咲かせた。ムードメーカーのホセ・スアレス投手が離脱して以降、大きな声でスペイン語が飛び交うことは少なかったが、この日は、久々にクラブハウスがスペイン語で活気づいていた。
チームメートらと感動の再会後、すぐに今季初登板のチャンスが巡ってきた。本拠地マリナーズ戦の3点ビハインドの7回に3番手でマウンドへ。しかし、簡単にはいかなかった。2死一塁から、ケルニックに右二塁打、スアレスに左前適時打を浴びた。
その後、ムーアを捕邪飛に抑え、最少失点では切り抜けた。ただ、首脳陣の評価は厳しかった。翌日、レイエスがいたロッカーのネームプレートは「Herget」に代わっていた。レイエスは再び、ソルトレイクシティに戻った。
球団からの正式発表が来る前に、クラブハウスに今までいなかった選手がいると、記者らはすぐに“消えたロッカー”を探す。そして、「誰々のロッカーがなくなっている」とSNSでつぶやく。メジャーでは当たり前の光景だが、選手が降格するたびに厳しい現実を思い知らされる。そして、大谷翔平投手やマイク・トラウト外野手ら、第一線で活躍し続ける選手の偉大さを改めて感じるのだった。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)