定点観測で見つけた吉田正尚の「穴」 チーム打率パ首位も…ポッカリ目立つ“空席”

オリックス・小田裕也【写真:真柴健】
オリックス・小田裕也【写真:真柴健】

ベンチでの“ポジショニング”にも意味

 ベンチの座席位置も“役割”がある。小田は「なんとなくの雰囲気だけど……」と説明を続ける。「常に試合に出ているような選手が通路側かな。若手や捕手は監督の前。昇格してきたばかりの選手は空いているところにサッと座っているイメージですね」。本塁から1番遠いベンチ最奥で、33歳は目を光らせる。

「僕の心境は変わりません。投手を観察して、試合に入っていけるように。途中出場の日も、スタメンと同じ気持ちだから」

 今季ここまで36試合に出場して、打率.306、1本塁打、8打点。ここ数年は守備固めや代走のスペシャリストとして存在感を示してきたが、吉田のいなくなった外野の一角でスタメン出場する試合も目立つ。

 プロ9年目。酸いも甘いも噛み分けてきた。「勝つ喜びを知ったチームになってきた。負けていても、まだまだいけるという気持ちになれる。これも経験。逆転勝ちできる日も目立ってきた」。12日時点でチーム打率.257、223得点はパ・リーグトップを走る。“空席”を埋める男は、もうすぐ現れるに違いない。

(真柴健 / Ken Mashiba)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY