栗山巧の衝撃打棒が転機「決心ついた」 元西武右腕が感謝する“メッタ打ち” 

サイドスロー転向のきっかけは栗山「投手としてのプライドはズタボロ」

 山本さんが1年目の2006年。1軍で栗山は63試合で打率.268、中村は100試合、打率.276、9本塁打と、レギュラーへの足がかりになるシーズンを過ごしていた。2軍で一緒になる機会もあり、投手と野手の違いはあったが「とにかく練習する。体の強さは凄かった」。試合で無安打に終わった日は当時の田辺徳雄2軍打撃コーチが付きっきりで、日が暮れるまでバットを振っていたという。

「その光景が今でも目に焼き付いています。栗山が永遠にバットを振っていると、それを横目に中村も続ける。『アイツがやるなら俺もやる』みたいな感じで。切磋琢磨しながら1軍、一流に駆け上がっていった」

 栗山には今でも感謝していることがある。まだ、オーバースローだった高校時代に1度だけ練習試合で対戦。右翼席へ弾丸ライナーの一発を浴びるなど4打数3安打と打ち込まれた。内角の厳しいコースにどれだけ投げても、ピンポン玉のように弾き返されたという。

「投手としてのプライドはズタボロ。これじゃ通用しない。サイドスローになる決心がついた試合。ある意味、プロ入りできたのは栗山に打たれたおかげかも(笑)。入団してから当時の話をしたら本人は覚えていませんでしたが、今ではいい思い出です」

 現役引退後は大手化学メーカー「クラレ」で働く山本さん。今でも西武時代に関わりのあった選手たちを応援している。「栗山、中村もそうですが中島さん、涌井、岸らは当時から“壊れない”体の使い方をしていた。パッと見て、分かりました。これからも活躍する姿を見せてほしいです」と、共に戦った仲間たちを応援し続けている。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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