セ最多勝を“独走”、巨人・戸郷が勝てるワケ 原監督も称賛…援護を受ける“投球術”
3回までに75球も、4~6回は41球で大幅スピードアップ
味方打線はその裏、2死から岡本和真内野手が左翼席中段へ勝ち越し16号ソロを放ったのを皮切りに、3得点。5回にも丸佳浩外野手の適時二塁打で援護し、終わってみれば7-1の大勝だった。
戸郷は今季79イニングを投げて12球団の投手でトップの52点の援護を受けており、援護率は5.92。これはチーム内の他の先発投手、たとえばフォスター・グリフィン投手の2.81、横川凱投手の3.74、山崎伊織投手の3.98と比べても、非常に高い。「結構大量得点をいただいているので、その分速く攻撃に回すのが一番だと思って、テンポを上げて頑張るようにしています」と“援護される秘訣”の一端を明かした。
3回までに75を要した球数も、3点リードをもらった4回以降の3イニングは41球と大幅に縮小。「徐々にコントロールもよくなってきましたし、(三振を)狙うのではなく、打たせて取るピッチングができたからこそ、その球数でいけたのかなと思います」とうなずいた。
序盤に最速150キロを計測したストレートは、4回以降は最速146キロで、140キロそこそこの球も増えた。ギアを一段下げた印象で、「球数がかさんだので(スピードを)少し落としながら、長いイニングを投げるためにいろいろ策を練りながら投げました」と語った。
勝利数のみならず、勝率.889もリーグトップ。原監督は「まだまだ半ばではありますが、成長してくれていると思います」と目を細めた。23歳の若さで、熟練された粘り強さ、修正能力を見せる戸郷。交流戦終了後も、リーグ戦でチームの反転攻勢の原動力となるはずだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)