交流戦単独首位…巨人・梶谷の劇打を生んだ原監督の“信頼”「俺も我慢するから」

手術&育成契約との苦汁をなめた男への気遣い

 実際、原監督は梶谷に対して何度か気遣いを見せてきた。開幕1軍を果たした後、4月17日にいったん2軍に降格したが、指揮官はこの時、当初代打要員としてベンチ入りさせた梶谷に、スタメンフル出場できる体力をつけ直させるための措置であることを丁寧に説明していた。5月5日に再昇格後、しばらくは代打出場が多かったが、今月8日から5試合連続でスタメン2番に定着。13日の西武戦で3打数2安打、5回に大城卓三捕手のスクイズで三塁から生還する働きを見せると、6回の守備からベンチに下げられ、原監督から「今日はかなり動かしましたからね。今日に関してはグッドジョブというところです」とねぎらわれた。翌14日は代打からの途中出場。2日ぶりにスタメンに名を連ねたのがこの日だった。

 梶谷は巨人移籍後、初年度の2021年に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けた。昨年は左膝痛を訴え、5月に左膝内側半月板縫合手術。オフに育成選手となり、今年3月に支配下登録されるまで不安な日々を送った。そうでなくても過去、巨人にFA移籍した選手が桁違いの注目度や重圧に苦しみ、実力を発揮できずに終わった例は枚挙にいとまがない。その中で、梶谷にとって原監督が示す信頼は何よりも心強かっただろう。ここに来て走攻守にわたる活躍を見せ、指揮官の“我慢”に応えた。

 お立ち台では「まだまだジャイアンツファンの皆様の前で、活躍する姿を見せられていない。なんとか挽回して、ファンに認めてもらえるように頑張りたいです」と表情を引き締めた梶谷。「結果を出すしか方法はない。梶谷に回ってきたらいいなと思われる選手になれるように、数字を出すしかないと思います」と決意を新たにした。本領発揮はこれからだ。

【実際の映像】 外角低めに粘り強くバットを出し… 梶谷の劇的サヨナラ打

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY