侍U-12、井端弘和監督が求める選手像とは W杯メンバー選考で異例の“3者面談”実施
最終トライアウト参加の41選手&保護者と5分ずつ面談を実施
「第7回 WBSC U-12ベースボールワールドカップ」(7月28日~8月6日、台湾・台南市)に出場する侍ジャパンU-12代表の最終トライアウトが17日に都内で実施された。動画によるトライアウトを通過した41人が参加し、メンバー18人の絞り込みがなされた(発表は後日)。7位に終わった昨年大会に続き指揮を執る井端弘和監督(元中日、巨人)は、実技選考の前に保護者を交えて選手との面談を実施。子どもたちの考え方などを理解した上で選考に着手した。
面談を提案したのは井端監督。最終トライアウトに参加した選手1人につき約5分、保護者を交えてコミュニケーションを取った。保護者には家でどんなことを大事にしているかを聞き、選手には自分の長所や短所を語ってもらった。自身からは日本代表のユニホームを着ることの意義や意味を伝えたという。
「野球が全てではありません。人間性や家庭環境などを踏まえて選考させていただきました。意気込みや考え方は1人1人違います」と井端監督。さらに「日本代表とはこういうものということを伝えられた」と述べた。
2年連続投手を担当する吉見一起投手コーチ(元中日)も意義を強調。「短い時間でしたが会話したことで、こういう子だなと想像できた」と“収穫”を口にした。
実施した背景には1年前の反省がある。昨年大会はコロナ禍でチームとしても活動も制限され、戦いながら選手のメンタリティなどを探っていった状況だったという。「今年は先に(選手を)分かった上でできるのでやりやすい」と指揮官は語る。
昨年は国内練習1日のみで台湾入り。しかも現地入りして隔離生活を余儀なくされるなど、チーム作りに苦慮した。今年は3日間の合宿を行った後に台湾へ向かう。「大会初戦からチームができ上っていないと勝てないと思います。合宿で改善すべき点も見えてきています。有意義に使っていきたいですね」。
1年前とは異なったアプローチで初優勝を目指すU-12代表。どんな戦いを見せてくれるか、楽しみだ。
(片倉尚文 / Naofumi Katakura)
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