初1軍で「大エース」に連れて行かれた銀座 「パワー」になった偉大な先輩の言葉
入団3年目で初1軍…鈴木啓示氏は銀座のステーキハウスに連れていってくれた
森脇氏には感激の出来事だった。「佐々木さんから『おめでとう。いろんな楽しいことも苦しいこともあるけど頑張れよ。何かあれば相談にのるよ。頑張っていけば、いろんな人も紹介するよ』みたいな言葉をいただきました。短い時間でしたけど、うれしかったですね」と懐かしそうに話した。
鈴木氏にも感謝している。「入団前にお会いすることはできなかったんですが、入団後に同郷ということで『頑張れよ』って。あの時代、大エースが18歳に声をかけることもそうはなかったはずですよ。もうその一言だけで、こっちからしたら、とんでもないくらいの勇気、パワーをいただきましたよ」。
森脇氏はプロ3年目の1981年に1軍に初昇格したが「その時に鈴木さんに銀座のステーキハウスに連れていっていただきました。東京に行ったら、いついつ空けとけよって言われましてね」。その日は落語家であり、名司会者でもあった桂小金治さんとも一緒になって食事したそうで、忘れられない思い出のひとつになっている。偉大な2人の先輩との縁。プロで戦っていく上で森脇氏にはそれもまた大きな励みになった。
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)