学童野球が迎えた転換期…“保護者問題”で連盟が異例の通知 指導者や親の本音は?
中学クラブチーム監督「親の負担を考慮して父母会はなくしたい」と口にするも…
ただ、近年は連盟が通知したように一人親、共働きなど各家庭の事情もあり、チームによっては保護者への負担を減らす動きが活発になってきた。野球をやりたくても「諦める」ことを選択する。部員集めも必死で「お茶当番なし」を謳うチームもあるのが現状だ。
筆者はこれまで数多くの小、中学生のチームで取材を行ってきた。指導者、選手から話を聞くことが中心だが、時には保護者からの意見も拾う。京都の小学生チームの母親は「基本的に平日は仕事。土、日はお茶当番があり家族の時間が取れない。自分だけ行かないと周りの目も怖い」と憔悴していた。
中には監督やコーチへの“接待”の度合いで、出場機会や選手起用に影響が出るチームもあると教えてくれた。指導者から贔屓にされていると感じる、保護者同士のトラブルも多いという。一昔前まではよく耳にすることはあったが、令和になっても存在していることに驚いた。もちろん、保護者の負担を減らすため、チーム帯同を月1回で持ち回りにするなど工夫しながら運営を続けているチームも多く存在している。
一方で指導者やチーム運営側の意見もよくわかる。大阪の中学クラブチームの監督は「親の負担を考慮して父母会はなくしたい」と語る。一方で「子どもに何かあった時に動いてくれる人がいないと、それで活動停止になることもある。スムーズな運営を続けるには必要。連盟からの通知はごもっともだが、チームによってできる、できないは必ず出てくる」と複雑な思いを明かす。