プロで生き延びる術になった50年の“習慣” 野球人生切り開いた担任教師の一言

「書くことは無駄ではないと思います」

 日記は自身の野球人生すべてにつながっている。「前に進むために書き残したと思っています。それを見て反省することもありますが、反省というのは前向きな行動ですからね」と強調した。「順調にいっている時は字もそれなりに整っているし、文章の量もそれなりにある。逆にうまくいっていない時は非常に字が乱れていたり、文章も簡単に終わっていたりね」。

 森脇氏は「ずっと同じペースで書き込むことができていれば、もうちょっとメンタルも強くなっていたんだろうなとか、そんなことも思いながら振り返ることもありますね」と言う。さらに「今はペーパーレスで、書く作業よりも打つ作業みたいな、そういう時代の流れだと思いますけど、まんざら書くことは無駄ではないと思いますよ」とも口にした。

 振り返れば、社高時代、プロから注目されはじめる前から練習でも「1日、自分に課したノルマがあった」という。「例えば1日100本、どんな状況でもバットスイングして終わるんだとか、地味ですけど壁当て100本して守備練習するんだとか。自分で決めたことに関しては、毎日継続して必ずノルマを達成するというのが、その頃から自分のスタイルだったと思います」。日記同様の継続力はそこでも発揮されていたようだ。

 現在は福岡・沖学園のシニアディレクターも務め、野球部を中心に生徒と向き合っている森脇氏だが、それもまた勉強。社高1年の時に始まった日記ももちろん継続中。まだまだ自身の野球人生に多くのことをプラスしていきたい考えでいる。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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