元虎守護神の“ブチギレ”に韓国騒然 降板に激怒しスタンドへ大遠投…注目の復帰後

元阪神のオ・スンファン【写真:Getty Images】
元阪神のオ・スンファン【写真:Getty Images】

日米韓500セーブを達成したものの苦しいシーズンが続く

 2014年から2年間、阪神でプレーしたオ・スンファン(呉昇桓)投手の“ご乱行”が韓国球界で騒動となっている。“石仏”という愛称がつくほど、冷静沈着なマウンドさばきで知られていたが、交代命令に激怒してスタンドにボールを投げ入れ、ベンチではグラブを叩きつける大暴れ。その後2軍降格を命じられる大騒動に発展した。

 オ・スンファンは現在、古巣の韓国プロ野球・サムスンでプレーしている。ただ7月15日に41歳となるシーズンは、思うようにいっていない。1軍では23試合に投げて2勝2敗9セーブ、防御率4.23。日米韓通算500セーブの大記録こそ達成したものの、抑えに固定されているわけではない。プロ入り後初めての先発も経験した。

 問題の行動は、16日のKT戦で起きた。6-4と2点リードの8回に登板したオ・スンファンは、連打で1点差とされたのち、犠牲バントを決められたところで降板を命じられた。投げたのはわずか7球。マウンドに来た投手コーチにボールを渡さず、左翼ポールの方向に大遠投して不満を現した。ベンチに戻ってからはグラブを叩きつける姿も見られた。

 韓国紙「イルガンスポーツ」は「石仏と呼ばれる彼の異例の怒りに、サムスンのベンチは凍り付いた」と伝えている。そしてこの行動は、チームの雰囲気を重視するパク・チンマン監督に「ベテラン選手として、もう一度考えなければならない行動」とされた。指揮官は「試合がうまく行かずにそういう表現をとったのだろうが、若い選手も多い中でもう一度考えなければならない」と続けた。

 オ・スンファンは監督と面談を行い「急にそういう状況になり、自分でもわからずそんな行動をした」と話したという。事件から2日後の18日には、1軍登録を抹消された。ただ監督は「心理的な安定を取り戻して体の状態が良ければ、最高齢としてブルペンの力となるのは明らか」とあくまで今後の復活に期待している。

 サムスンは最下位に転落するなど苦しいシーズンが続いている。韓国各メディアの報道によると、オ・スンファンは27日に1軍に再合流し、再登録が可能となる28日にも復帰の見通しだという。不動の抑えではなくなったオ・スンファンの復活はあるのか。そして現役生活の幕は、どんな形でひかれるのだろうか。

(Full-Count編集部)

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