中日守護神が打たれないワケ 衝撃の防御率0.00…データが示す“最強”の「39.8」
マルティネスは今季ここまで23試合に登板し防御率0.00
セ・リーグ5位の中日だが、チーム防御率は2.78。12球団No.1の数字を誇る。9回を任されているライデル・マルティネス投手は今季、ここまで防御率0.00と凄まじい成績を残している。その投球の裏にある突出した衝撃データを見ていきたい。
昨季最多セーブのタイトルを獲得した26歳右腕は23試合に登板し、1勝1敗4ホールド、16セーブをマーク。セーブ数はリーグ2位で、山崎康晃(DeNA)や栗林良吏(広島)、湯浅京己(阪神)ら他球団の守護神が苦しむ中で抜群の安定感を見せている。
セイバーメトリクスの観点から野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、ストレートの平均球速は全体2位の155.4キロ(1位はロッテ・佐々木朗希で159.5キロ)。そして投球への空振り率(Whiff%)が38.5%、ボールゾーンスイング率を測るO-Swing%が42.4%と、いずれも今季20イニング以上投げた投手ではリーグ1位の数値を記録している。
“宝刀”スプリットの平均球速は146.8キロ。リーグ最速で、全投球の27.7%を占める。リーグで一番の速球と変化球がゾーンに来れば打者は苦しむだろう。また、1投球回あたり何人の走者を出したかを表す「WHIP」はリーグ1位の0.73。今季は22イニングで34奪三振という圧倒的な成績にも納得だ。
特筆すべきは、どれだけ打者を圧倒しているかを示す指標K-BB%(奪三振割合と与四球割合の差)。リーグ平均が「12.7%」という中、衝撃の「39.8%」で12球団トップを示している。リーグ2位はヤクルトの星知弥の「29.6%」だからその差は歴然だ。
育成選手として2017年に中日入りし、2020年からクローザーとして君臨。年々球速も上がり、今や球界の絶対的守護神となった。これほどの異次元すぎる数値を記録する右腕のこれからの活躍にも注目だ。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。