「江越君、どうしたら打てますか?」 新庄監督の貪欲さを見た…敵コーチへの大胆質問
「お前のところの選手だろうが(笑)」も…10分以上話し込んだ
日本ハムは交流戦を10勝8敗の貯金2で終えた。普段は行くことのない球場でプレーしたり、対戦の少ないチームと顔を合わせるのも、交流戦の醍醐味の1つ。新庄剛志監督にとっても、楽しみな3週間だった。
6月15日。DeNA戦を前にした横浜スタジアムで、珍しくアップ前に指揮官がグラウンドに姿を現した。一直線に向かった先は、DeNAの石井琢朗チーフ打撃コーチのところだった。そして問いかけた。
「江越君のバッティングなんですけど、どうやったら打てるようになりますか?」
これから戦う敵コーチにアドバイスを求めてしまうのだから、さすが新庄監督といったところか。冗談とも本気ともとれるような言葉に、石井コーチは「知らねーよ、そんなの。お前のところの選手だろうが(笑)」と返したそうだが、その後も身振り手振りを交えて10分以上にわたって話し込んでいた。
その時点で打率.184と低迷していた江越は、昨オフに阪神からトレードで加入。入団1年目の2015年から8年間は、セ・リーグでプレーしていた。同時期に広島、ヤクルト、巨人、DeNAでコーチを歴任した石井氏は、相手球団ながら江越の打撃をよく見てきた人物ともいえる。持ち前の守備力では幾度となくチームを救っている30歳だけに、打撃でキッカケをつかめれば……との思いが指揮官にはあったのかもしれない。
さらに、1学年先輩にあたる石井コーチの指導法には興味があったようだ。会話の内容の一端を明かしてくれた。