「江越君、どうしたら打てますか?」 新庄監督の貪欲さを見た…敵コーチへの大胆質問

指導法に興味「石井さんが行くところ、全部強くなりますよね」

「石井さんが行くところ、全部強くなりますね。どういうアドバイスをしているとか、あとはパ・リーグの投手のときに、ある試合で(DeNAが)徹底してガンガン打っていた。だから『どういうアドバイスしたんですか?』とか聞きました。やっぱりシンプルですね。こういう球種をこうで、とかじゃなくて、一つのポイントをバンっていうところを聞いてみたかったので。いい話を聞けないと思ったら行かないし、俺あんまり行かないじゃないですか」

 遡れば、現役時代は長くセ・リーグでしのぎを削った間柄。「マシンガン打線」の一員だった石井コーチの打撃を「いやらしいバッターでしたよね」と注目し、当時から顔を会わせれば会話を交わし、様々な質問もぶつけていた。球史に残るほどの強力打線は、新庄監督にとっても印象深いようだ。

「(マシンガン打線は)止まらん止まらん。おしっこしたいのに、もう。48分くらい守っていたもん。バントとかないんですよ。エンドランも。(監督の)権藤さんも出す必要がないと。『俺、何の仕事すりゃいいん』みたいな。打つから。本当に俺、守備でよう走りましたよ。右に左に」

 お気に入りの球場の1つだという横浜スタジアムのグラウンドに降り立ったのは、現役最終年だった2006年6月以来だった。全てをヒントにしようとする貪欲な姿勢は、17年経っても変わっていないようだった。

○著者プロフィール
町田利衣(まちだ・りえ)
東京都生まれ。慶大を卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。2011年から北海道総局で日本ハムを担当。2014年から東京本社スポーツ部でヤクルト、ロッテ、DeNAなどを担当。2021年10月からFull-Count編集部に所属。

(町田利衣 / Rie Machida)

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