「バットが止まらなくて…」 オリ新星の“出会った”衝撃が「頭から離れない」
茶野篤政が開幕戦で痛感した、プロの“高い壁”
見たことのない“球筋”に驚きを隠せないでいた。オリックスの茶野篤政外野手が、プロ入り直後から目を丸くしたのは、西武・高橋光成投手の「フォーク」だった。
奮闘中のルーキーは「スピードと落差が半端ないです。振りに行ったバットを止められないですからね、あのフォークは……。振らないようにフォークを頭に入れていると、真っすぐがズドンと来る。ストレートを打ちに行って、あのボールを見切れるかどうかですけど、その2択だとバットが止まらなくて……」と困惑した表情で説明する。
最終的には“開き直って”答えた。「フォークが来ると理解していても、結局は振ってしまうんです。三振を取りにくるとわかっている中でも、バットが止まらない。だから、もう、そのとき次第って感じです(笑)」。あっさりとした“解答”には、割り切った思考があった。
茶野は2022年の育成ドラフト4位でオリックスに入団。宮崎での春季キャンプはB組スタートながら、猛アピールを続け、オープン戦も1軍に同行。3月24日に支配下選手登録を勝ち取った。3月31日のシーズン開幕戦では「8番・左翼」で開幕スタメンに滑り込んだ。プロ初打席は、西武の高橋から三塁への内野安打をもぎ取り、盗塁も記録。好スタートを切ったが“高い壁”にぶち当たった。
「あのフォークは頭から離れないですね。投球位置(リリース)も高いので、落ちるというか地面に突き刺さるイメージです。開幕戦から、ずっと『プロ野球』の凄さを感じています」
職人気質のある“ヒットマン”は今季ここまで65試合に出場し、打率.266、1本塁打、20打点、7盗塁の成績を残している。「満足したら成長はできないので。どんな球にも必死に食らいついていきたいです」。もうすぐ夏場を迎える。打席に入る度、律儀に礼をする男が、目をギラつかせる。
(真柴健 / Ken Mashiba)