大学では1登板も…2軍の守護神に大成長　オリ育成ルーキーが歩む“宇田川ロード”

東北福祉大の先輩・岸田護2軍投手コーチ「ストライクゾーンにどんどん投げなさい」

　東北福祉大の“大先輩”で現役時代は抑えを務めた岸田護2軍投手コーチは「一番は球の強さ。練習に取り組む姿勢はとにかく真面目。ウエートも走り込みもがむしゃらにやる」と評価。「大学時代は実戦が少なかったので、今は細かいことを考えるより『ストライクゾーンにどんどん投げなさい』と伝えている。直球は1軍でも通用していく。そりゃ、後輩なので活躍してほしいですよ」と、“育成守護神”に期待を寄せる。

　チームは昨季、育成出身で7月に支配下登録された宇田川優希投手が日本一に貢献し、侍ジャパンにも選出された。入山は育成3位指名、大学時代を同じ仙台（宇田川は仙台大）で過ごすなど、大ブレークを果たした右腕との共通点は多い。

　周囲から“宇田川ロード”を期待する声もあがるが「目標は1軍で活躍することですが、今は目の前の試合に集中するだけ。投げていてワクワクさせる投手になりたい。いつ（支配下登録として）呼ばれてもいいように準備するだけ」と、2軍で成績を残すことに必死だ。

　登板機会に飢えていた男は投げる喜びを感じながら、1日1日を懸命に過ごしている。「大学時代は1回も両親に投げている姿を見せられなかった。今はちょっとずつ来てもらえている。いつか京セラドームにも……」。無限の可能性を秘める右腕は支配下を勝ち取り、1軍のマウンドを目指していく。

（橋本健吾 / Kengo Hashimoto）