主力の挨拶に日本語ツアー 大谷翔平の受け入れ着々…ド軍が“1000億円争奪戦”前から誠意

二塁ベース上で言葉を交わすエンゼルス・大谷翔平(左)とドジャースのムーキー・ベッツ【写真:ロイター】
二塁ベース上で言葉を交わすエンゼルス・大谷翔平(左)とドジャースのムーキー・ベッツ【写真:ロイター】

ドジャース本拠地では日本語の球場ツアーが実施、日本語のスコアボード表示も

■ドジャース 11ー4 エンゼルス(日本時間8日・ロサンゼルス)

 エンゼルスの大谷翔平投手は7日(日本時間8日)、敵地・ドジャース戦に「1番・指名打者」で先発出場し、3年連続のシーズン100安打に到達した。チーム90試合目での到達は自己最速だ。3打数1安打1四球で打率.297。チームは4-11で大敗し、今季3度目の4連敗。最大8まであった貯金を吐き出し、地区4位に転落した。

 ドジャースと言えば、今オフにFAを迎える大谷の移籍先の最有力候補と目されている。まだFA争奪戦まで3か月以上あるが、思った以上に受け入れ態勢は進んでいた。このエンゼルス2連戦では、日本語によるスタジアムツアーが実施。ドジャースの打撃練習の視察から球場の名物スポットを巡る約45分のツアーは、これまで日本語はなかった。この日は今年からスタッフとして採用された北本薫さんと内田稔さんがスタジアムを案内。今年の日本語ツアーは今回の2連戦だけだが、来季も継続する方針で、内田さんは「来年、“あの人”が来たら、絶対に忙しくなりますね」と語った。

 さらに、この日のドジャース攻撃中のスコアボードには「ブラボー」などと日本語で表記される場面も。ドジャースに日本選手がいないにも関わらずだ。記者も球場入りする際に球場警備員から「オオタニはこの2連戦は投げないの? 来年は多くの試合で投げるところを見たいね」と声をかけられた。今オフのドジャース・大谷の誕生は、もはや既定路線かのような話ぶりだった。

 大谷も試合中にドジャースの中心選手からも挨拶を受けた。この日、二塁を守ったムーキー・ベッツ外野手だ。大谷が4回に二塁へ進塁した際、ベッツは「君とアデルだったら、どっちがパワーがあるの?」と聞き、握手もした。「今まで話したことがなかったからね。それだけだ。(握手は)1回も喋ったことがなかったからね。自分なりの“こんにちわ”だ」と続けた。

 デーブ・ロバーツ監督の囲み取材では、この日も大谷の話題が。「名前は聞いたことがあるね。とてつもない野球選手だ。(2連戦で)投手での対戦がなくて良かった。でも、打席に立つからファンは興奮するだろうね。エキサイティングな選手だ」。“名前は聞いたことがある”とのすっとぼけ発言には米メディアも大爆笑だった。

 この日、MLB公式サイトはエンゼルスが8月1日(同2日)のトレード期限までに大谷を放出することは「あり得ない」とまで報じた。今夏の移籍はなくても……。10年連続ポストシーズンへ進出している常勝軍団が、7億ドル(約1000億円)とも言われるFA争奪戦前から“誠意”を見せている。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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