強力米国打線を1失点「絶対に通用する」 ドラ1候補右腕の矜持…感じた課題と収穫
日米大学野球第3戦で先発登板した常廣は5回途中1失点の好投
パワーの差を感じながらも、技術で封じた。第44回日米大学野球選手権第3戦(米ノースカロライナ州)に先発した大学日本代表「侍ジャパン」の常廣羽也斗投手(青学大)は、「60点くらいかなと思います」。敗戦投手にこそなったが、5回途中1失点7奪三振と好投に手ごたえもあった。
「正直、力で勝負しても負けると思っていた」。そう冷静に分析した。初日には134mの特大本塁打、2日目には同じくドラフト候補の草加勝投手(亜大)に2本のアーチを浴びせるなど、強烈なパワーを見せつけてきた米国打線が相手。常廣はカーブ、フォークを織り交ぜ、うまく緩急を使った。
3回までは直球を多投し、無失点に抑え込んだ。4回には先頭に四球を与え、1死を奪った後に盗塁と右前打で一、三塁のピンチを作った。併殺崩れの間に1失点。結果的にこの失点が決勝点になった。その後、6回2死でカグリオーンに四球を与えたところで降板となった。
課題は「エネルギー不足」。5回まで毎回三振を奪っていたが、直球の威力が落ちていたのを実感していた。「一番いい投球は、9回投げることなので。あのタイミングで下ろされたのは悔しい」と唇をかんだ。
一方で、米国打線を1失点、長打ゼロに抑え込んだことは自信にもなった。「自分のボールを投げられれば、絶対に通用するとは思っていた。投げられたので良かったです」と納得の表情を見せた。侍ジャパンは2連敗を喫し、後がなくなった。「日本の野球がどれだけ世界に通用するか。勝たないと意味がない」と、最後に常廣は力強く言葉を発した。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)