吉田正尚が見つめる古巣 「一緒にプレーしてみたかった」森友哉との“共通項”
吉田正尚「彼のキャリアは本当にすごい」森友哉を絶賛&心配
海を渡っても“古巣”は気になる。レッドソックスの吉田正尚外野手が、今季からオリックスに新加入した森友哉捕手の負傷を気遣った。「大丈夫なのかな……? 今回は怪我をしてしまったけど、張り切ってプレーしている。チームに良い影響を与えている選手だと思います」。互いに新天地への挑戦で“すれ違った”ヒットマンを心配した。
森は1日の日本ハム戦で走塁中に負傷し、途中交代。左ハムストリングの筋損傷で、戦列を離れることになった。移籍1年目の今季はここまで、打率.286、12本塁打、38打点の成績を残していただけに“痛い”離脱となった。
吉田と森には“共通点”がある。2学年下の森について吉田は「同じ左打者で、身長も高くない。多分、僕(173センチ)よりも小さいと思う。それで、あのスイングができる。本当に凄い」と絶賛する。「森くんは高校時代から有名でした。彼のキャリアは本当にすごい。高校からプロに入って、(2019年に)首位打者。レベルが高いですよね」。メジャー挑戦1年目の前半戦を打率.316(ア・リーグ3位)で折り返した“世界の吉田”が最大級の賛辞を送った。
吉田はオリックス在籍時の2021年から2年間、選手会長を務めた。期間中は悲願のリーグ優勝、2連覇&日本一に導いた。「森くんは、そのなかでFA移籍。そこから今季がスタート。僕が逆の立場だったら……と考えると、2連覇したチームに入る、しかも捕手。とても難しいことだと思いますね」。扇の要が“馴染めているか”どうかも密かに気にしている。
森友哉は「僕と同じ人見知り」
昨オフ、吉田のメジャー挑戦を祝う“送別会”が行われた。ラオウこと杉本裕太郎外野手、福田周平外野手、宗佑磨内野手、山本由伸投手らが“参戦”した会食には、急遽、森も参加。吉田は当時を思い返し「一緒にプレーしてみたかった。彼も、そう言ってくれたのが嬉しかった」と温和な笑みを浮かべた。
森については「見た目はヤンチャそうに見えるけど、すごく真面目で考え方もしっかりしている。誤解されやすいかもしれないけど、本当に純粋。僕と同じ人見知り(笑)。時間が経てば仲良くなれるタイプ」と冷静分析。“仲間”を見つけて、嬉しそうに語る。
3連覇を狙う古巣には「オリックスは今、若い選手が多いチームになった。日本一を起点にしてほしい。あそこがゴールじゃない。もっともっと、成長できる。僕も、みんなに負けることなく成長していきたい」と熱烈なエール。本拠地・京セラドームのバックスクリーンに、チャンピオンフラッグを飾れたのは、間違いなく吉田のバットがあったから。最高の〝置き土産〟を、マスクを被る森が見つめている。
○著者プロフィール
真柴健(ましば・けん)1994年、大阪府生まれ。京都産業大学卒業後の2017年、日刊スポーツ新聞社に入社。3年間の阪神担当を経て、2020年からオリックス担当。オリックス勝利の瞬間、爆速で「おりほーツイート」するのが、ちまたで話題に。担当3年間で最下位、リーグ優勝、悲願の日本一を見届け、新聞記者を卒業。2023年2月からFull-Count編集部へ。
(真柴健 / Ken Mashiba)