開幕ローテから一転…「なんでだろう」 レオ右腕が痛感した課題と浮上への“転機”
1軍復帰を目指す西武のドラフト2位右腕・渡邉勇太朗投手
22歳の右腕は再起を誓う今季、後半戦での1軍昇格を目指している。西武の渡邉勇太朗投手は、浦和学院高から2018年ドラフト2位で入団。2021年はプロ初先発初勝利を挙げるなど17試合に登板したが、昨年はわずか3試合に留まり、悔しいシーズンを送った。
3年目の2021年には17試合を投げ、4勝4敗、防御率3.44の成績を収めた。「ストレートでしっかりファウルもとれていましたし、自分の投げているボールもすごくよかったので、1軍でも通用するなと感じました。でも、先発で投げると疲れるのが早かったです。長いイニング投げるとなると、厳しいと思いました」。シーズン後半は先発を務めたが、体力不足を痛感し、課題の克服に取り組んだ。
更なる活躍が期待された2022年は開幕ローテーション入りを果たしたが、わずか3試合の登板に留まり、防御率は6.08と不調に陥った。「球速も出ませんでしたし、なんでだろうと思って自分のフォームを確認して『ここかな』と、いろいろ修正に取り組みましたが、結果が出ませんでした」。試行錯誤を繰り返したが、答えは見つからなかった。
転機となったのは、昨年オフに高橋光成投手と行った自主トレだった。「光成さんのところに行って体が変わったら、球が良くなりました。筋肉量が落ちていたことが、結果が出なかった要因だったと思います」。なかなかたどり着かなかった不調の原因がわかり、肉体強化に励んだ。
「自主トレを見ていただいているコーチに教えてもらって、ウエートトレーニングに力を入れました。初めて取り組むメニューもありました。ウエートリフティングのように何キロ挙げたとかではなく、野球につながるようなフォームで、しっかりやる意識をもってやっています」
栄養面でのサポートを受け食生活も改善
昨年から一人暮らしを始め自炊をしているが、今年から栄養面でサポートしてくれる会社と契約し、食生活も改善した。
「自分で勉強して、食事には気を使っているつもりでした。でも、全然知識が足りていなかった。今は『タンパク質を摂ったほうがいい。登板何日前からはこういう食事をしたほうがいい』というのがわかってきました。トレーニングや食事面で、昨年までとは全然違う過ごし方をしています。いい方向にいっている実感があります」
今シーズンは2軍で7試合に登板しているが、「2年前より球速が上がっていますし、上で投げていた時のような球の強さを感じています。今、調子がいいので、この調子を維持していいタイミングで上がれたらと思っています」と手応えをつかんでいる。
ドラフト1位ルーキー、蛭間拓哉外野手は浦和学院高でチームメートだった。当時から仲が良く、卒業後も頻繁に連絡をとっていた。「西武に入団することが決まってから、拓哉の実家に泊まりに行きました。拓哉のお父さん、お母さんは面白い人で、お酒を飲んで盛り上がりました。早く2人でヒーローインタビューに立ちたいです」。その夢を実現させる日は、決して遠くはないだろう。
(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)