“屈指の名手”が藤浪晋太郎のコンビに さらなる飛躍の可能性も…カギ握る気鋭25歳
ラッチマンは昨季メジャー2位のDRS18をマークした好守が売り
剛腕の一報が日米を駆けた。アスレチックスの藤浪晋太郎投手は19日(日本時間20日)、オリオールズへのトレード移籍が決まった。先発としては好結果を残せなかったが、救援転向後は徐々に調子が上向き、直近15登板は防御率2.40と好投。課題の制球面でも11試合連続で無四球と改善傾向にあり、地区首位に立つ躍進球団への移籍が決まった。果たして藤浪は新天地でも好成績を残せるだろうか。その点、新たに組む“相棒”が能力を引き出してくれる可能性が高い。
オリオールズの正捕手は、25歳のアドリー・ラッチマン。今夏はオールスターに初選出され、HRダービーでも両打ちから柵越えを連発して話題をさらった新鋭だ。2019年ドラフト全体1位指名でオリオールズに入団すると、マイナーでも声価を高め、昨年5月21日(同22日)にメジャーデビュー。113試合で13本、出塁率.362の好成績を残して新人王投票では2位に入り、今季も91試合で13本、リーグ7位の出塁率.374(現地19日時点)の好成績でチームを牽引している。
もっとも、ラッチマンの真価は打撃面ではない。総合的な守備でどれだけの失点を阻止したかを示す指標「DRS(Defensive Runs Saved)」は昨季メジャー2位の18をマーク。中でもストライク判定での利得を示す「rSZ(Strike Zone Runs Saved )」に秀でており、こちらも同2位の9を記録した。今季はDRSこそ-1ながら、rSZは2とフレーミング能力は依然維持している。
一方で、アスレチックス時代に組んでいたシェイ・ランガリアーズ捕手は、DRSがメジャーワースト2位のDRS-10、rSZも-6と苦戦。制球面に難のある藤浪にとって、際どい1球がストライクになるかボールになるかは成績面にも直結するはずで、次代のスーパースター候補、ラッチマンの存在は大いに頼りになる。2016年を最後にプレーオフから遠ざかるオリオールズ。藤浪はその剛腕で、チームを夢舞台へ導けるだろうか。
(Full-Count編集部)