山本由伸、元オリ同僚が見た“3つの凄さ” MLBでも通用するワケ「必ず成功できる」

オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】
オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】

米国留学中の鈴木優さんはオリックス時代に5年間山本と同僚だった

 オリックスと巨人で投手としてプレーし、昨季限りで現役を退いた鈴木優さんは現在、米国に約2年の予定で留学中だ。3月のWBCでは侍ジャパンが世界にその名を轟かせ、特に投手陣は強烈なインパクトを残した。そこで、全米におススメしたいパ・リーグ投手を紹介。初回はオリックスの山本由伸投手。

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 日本球界のエース・山本由伸投手は最速159キロを記録するストレートだけでなくフォーク、カーブ、カットボール、シュート、スライダーと精度の高い多彩な変化球を操る。またNPB史上初となる2年連続の最優秀防御率、最高勝率、最多勝利、最多奪三振、最多完封の5冠を達成し沢村栄治賞を受賞するなど、いまの日本球界では実力、成績共に文句のつけようがない選手だ。

 彼はメジャー志向を公言しており、近々海を渡ることが予想される。まだ24歳で年齢も若い。メジャーリーグへのポスティング移籍となれば過去最高額レベルの移籍金になる可能性もあるだろう。そんな山本投手とは5年間一緒にオリックスでプレーしたが、身近で感じた彼の凄さについて書いていきたい。

 まず1つ目は山本投手の野球を楽しむという姿勢だ。プロ野球は表向きは華やかな世界に見えるが、その裏では結果を出すために毎日ハードなトレーニングや練習を重ねる。その中で結果が上手く出ない時期などがあると、なかなか楽しむということができなくなる選手が多いと思うのだが、彼はいつも楽しむ姿勢を忘れないように見えた。

 ある意味野球を始めたての子どものように取り組んでいるようだ。私が現役をしていた中で1番大事で難しいと思ったところはここの要素で、どんなにピンチな場面でも楽しんでワクワクできるメンタルを保つこと。それを実現できているところが彼の1つ目の凄さであり、ここまで成績を残せている要素だと思う。

「コミュニケーションもすごく上手で打ち解けることが早くできる」

 そして2つ目が毎日自分が決めたトレーニングを必ずやり切れるところ。自分が選手の時、大変だったのが同じことを毎日コツコツと続けること。長いシーズン中だと今日は疲れてるからいいかなとか、なにかと理由をつけてやらない日を作ろうとしてしまう。それを山本投手は全く怠ることなく、どんなときでも実行する。自分が決めたことをやり通す力というのはメジャーリーグに行ったとしても必ず成功できる要素になるのだと思う。

 そして最後が人間性。彼は入団してからこの結果を残している現在まで全く変わることがない。8年間現役をしたなかで、結果を残すと他人を見下すような発言をしてしまったりする選手を残念ながら何人も見てきた。山本由伸投手は全くそれがない。

 またコミュニケーションもすごく上手で打ち解けることが早くできる選手だと思う。メジャーリーグに行く上でここは特に重要な要素だと思っていて、日本語が通じない新たな環境に行き、その環境で溶け込めるかどうかは人間性が大きな部分になると思う。そこで違う要素のストレスを抱えるようなことがあればプレーにも少なからず影響することは想像に容易い。移籍してもすぐに溶け込んでいる様子が想像できるのが彼の凄さだと思う。

 実力的にももちろん通用する可能性が高いと思うのだが、この記事に書いたとおり人間性の部分でも異なる環境に行っても活躍できる要素を持ち合わせていると思う。そんな山本投手がメジャーリーグで活躍することを心から願っている。

(「パ・リーグ インサイト」鈴木優)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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