レジェンドが夢を後押し! 子どもたちの輝く未来を願う「イチローPOST」に迫る

「イチローPOST」に届いた手紙を手に取るイチロー氏【画像提供:ユニクロ公式YouTubeチャンネル】
「イチローPOST」に届いた手紙を手に取るイチロー氏【画像提供:ユニクロ公式YouTubeチャンネル】

ユニクロの店頭に設置されている「イチローPOST」

 ユニクロの店頭に設置されている「イチローPOST」をご存知でしょうか? これは、日本全国の小学生・中学生なら誰でも、イチローさん(元オリックス、マリナーズほか)に手紙を送ることができるポストです。プロジェクト仕掛け人に話を聞いてみると、それはイチローさんとユニクロが考える“未来を担う次世代の子どもたち”への想い、また子どもの可能性を広げるヒントがたくさん詰まった、すてきな取り組みでした。

「イチローPOST」とは、さまざまな夢を描いて挑戦する子どもたちを、ユニクロがイチローさんと共に応援する、次世代育成プロジェクト。「君が好きなこと、向き合おうとしていることは何ですか?」というイチローさんからの問いかけに対し、子どもたちが、向き合っていることやイチローさんに伝えたいことを「手紙」に記し、ユニクロ店頭にある「イチローPOST」や特設サイトから投函。イチローさんのもとへ届ける、というものです。

 ここで大切なのは、子どもたちが「自分の言葉で伝える」ということ。自分は今何を考え、頑張ろうとしているのか。それを言葉にすることで、今まで気づけなかった自分の気持ちに気づけたり、新たな目標が見えたり、子どもたちの「頑張るきっかけ」となる可能性を秘めています。

 手紙を受け取ったイチローさんに思いが届けば、イチローさんが直接会いに来てくれるかもしれませんし、特設サイトから返信メッセージをくれるかもしれません。また、同プロジェクトのコンテンツでは、イチローさんが、これまでの経験や考えを言葉にしてくれており、特設サイトを訪れることで、自身の背中を押してもらえるかもしれません。

レジェンドからの返信は「大きな影響力がある」

 なぜユニクロが、「イチローPOST」に取り組んでいるのか、同社グローバルマーケティング部の文原徹部長と渡邊暁眞さんに話を聞きました。そもそもユニクロでは、スポーツやアスリートを通じて子どもたちを応援する次世代育成活動「UNIQLO Next Generation Development Program」を、日本のみならず世界の子どもたちを対象に展開しており、「イチローPOST」も同プログラムの一環として行われています。

 文原さんは、こうした活動について次のように語ります。「手紙を送ったらイチローさんが会いにきてくれた、返事をしてくれた。そのような経験は、その子たちの人生を変えてしまうほど大きな影響力があると考えます。その子の人生の中で『僕はこの経験があったからこうなった』と思えるきっかけを提供できる。それが『ユニクロ』というブランドが次世代に向けてやっていけるポジティブな活動なのかな、と思っています」

 イチローさんを起用した理由に関しては、「誰も否定することのできないレベルのことを実績として残された方。より多くの子どもたちの人生に対して、ポジティブな影響力を寄与していくことが一緒にできるなら、イチローさんとユニクロが組むのは社会にとっていいことだと考えたのが起点ですね」と話してくれました。

 昨年11月から始まった「イチローPOST」には、これまで延べ4000通以上の手紙が届いたといいます。弁護士を目指す子、バレエやピアノ、習字を頑張る子など、さまざまな分野で努力する子どもたちから手紙が届くなかで、「印象に残っている手紙」について尋ねると、渡邊さんは次のように答えました。

「『こうして自分の気持ちを手紙に書いて表すことで、次に頑張れる目標が見えてきた気がしました』という内容の手紙が、意外とたくさんあったことが印象的でした。もともと“手紙を書いて自分の想いを記す”という行為が、これから目標や夢などを追い求めていくうえで大切だと思い、プロジェクトを始めた側面がありましたが、今の自分の気持ちを文字で表現してみることは大切なんだなと、子どもたちの言葉からあらためて実感しますし、この取り組みを始めてよかったなと感じる部分です」

23日にはほっともっと神戸でイベントも開催

 これからの「イチローPOST」について、お2人はこんな展望を描きます。

「将来いろんな発展の形があると思いますが、この企画でイチローさんと触れ合った子のなかからプロになった選手が出てきたとか、それぞれのフィールドで活躍する子が『実は子どもの時イチローさんに…』という話が聞ければいいなと思っています。子どもたちの頑張るきっかけになれればうれしいです」(文原さん)

「元々のプロジェクトの目的が『頑張れる子どもたちをもっともっと増やすこと』なので、だからこそ半年1年のスパンではなく、時間をかけて、さまざまな取り組みを発信するなかで、ひとりでも多くの子どもたちのためになれば、というのが我々の思いです。子どもたちの明日につながるプロジェクトにしていきたいです」(渡邊さん)

 23日(日)には、イチローさんゆかりの、ほっともっとフィールド神戸でのオリックス-日本ハム戦で「ユニクロ イチローPOST DAY」が開催されます。球場内に「イチローPOST」や特設ブースが設置され、来場した小・中学生には投函することもできます。「『イチローPOST』のプロジェクト自体、本当に世の中をよくしていきたい、子どもたちに元気を与えたいというイチローさんの思いがこもっているものなので、イチローさんからの特別なメッセージを、来場した方には楽しんでいただきたいです」と文原さんはコメントしました。

 子どもにとって、生きているなかで「どんな人に出会えるのか」「どんな環境で育っていくのか」はとても重要。心が動く・感動する出会いがあれば、子どもはどこまででも伸びていける……そう考えるなかで「イチローさんに触れる・出会う」機会を届けるこのプロジェクトは、野球という枠にとどまらず、日本の未来を明るくするとても素敵な取り組みだと感じました。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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