「本塁打は入れようと思っていない」 悲願の聖地へ…佐々木麟太郎の“命を賭ける”夏

試合後に取材に応じた花巻東・佐々木麟太郎【写真:羽鳥慶太】
試合後に取材に応じた花巻東・佐々木麟太郎【写真:羽鳥慶太】

準決勝で3安打もいまだ今夏ノーアーチ、状態は?

 第105回全国高校野球選手権の岩手大会は24日、盛岡市のきたぎんボールパークで準決勝を行い、高校通算140発の佐々木麟太郎内野手(3年)を擁する花巻東が盛岡第一に10-4で大勝、4年ぶりの甲子園に王手をかけた。

 この試合で3安打1打点と活躍した佐々木麟は、今大会初めて取材に応じ、抱えてきた背中の違和感や、打撃の現状を語った。

 今大会前には、実戦に出場できなかった期間も2週間ほどあった。佐々木麟は「春から痛みが何回かぶり返して起きてしまって。大会になってからも3回戦に(スタメンで)でられなくて迷惑をかけた。自分としても役割を果たすことしか考えていない」と言い切った。

 この日は初回に右前打、3回に無死二塁から中前適時打、5回にも先頭で中前打を放ち出塁。チームが7点を奪い逆転した7回には、二塁への強烈なゴロが敵失を誘った。「ホームランを入れようとかは思っていませんし、つなぐよう意識して打席に立っていました」と打席での狙いを説明する。

 自身初の夏の甲子園まで、残りひとつ。「一戦必勝というか、残り1試合に命を賭けて戦いたい。みんなで優勝旗をとりに行って、花巻東の野球の集大成を見せたい」。大会前には、帽子の裏に「逆襲」「命を賭ける」と書き込んだ。チームの中心に座る麟太郎は、完全復調へ一歩づつ前に進んでいる。

(羽鳥慶太 / Keita Hatori)

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