大谷翔平への“四球攻め” 後半戦14戦16四球…ジャッジ超え&3冠王の鍵は25歳の逸材
大谷は今季初の1試合2敬遠、絶好機で勝負を避けられた
■ブルージェイズ 6ー1 エンゼルス(日本時間30日・トロント)
エンゼルスの大谷翔平投手は29日(日本時間30日)、敵地・ブルージェイズ戦に「2番・指名打者」で先発出場し、3回に3試合連続安打となる右中間二塁打を放った。5、6回の絶好機では2打席連続で申告敬遠と勝負を避けられ、2打数1安打、2四球1死球で打率.302。チームは2連敗を喫し、ワイルドカード進出圏内から5ゲーム差となった。
大谷への敬遠攻め。両軍無得点の5回1死二塁、1点を追う6回2死一、三塁と勝負を避けられた。後半戦14試合で16四球6敬遠。敵地も騒然となったが、ポストシーズンを争うチームなら当然と言えば当然の策だった。
ここまでキング独走の39本塁打を放ち、打率.302、81打点。昨季ジャッジが記録した62本塁打のア・リーグ記録、3冠王も狙える位置にいる。左有鈎骨骨折で手術を受けたトラウトは8月中の復帰が期待されるとはいえ、大谷のタイトル争いの鍵を握るのはミッキー・モニアックだ。
左有鈎骨骨折で手術を受けたトラウトの離脱後は中堅手に定着。打順も主に大谷の後を打つ3番を任されている。2日(同3日)の敵地・ダイヤモンドバックス戦から球団記録の18試合連続安打を記録。トラウト離脱後は試合前まで73打数27安打の打率.370とハイアベレージを残してきたが、この日は4打数無安打3三振。好調なバットが一転してブレーキとなってしまった。
本塁打王争いを繰り広げた2021年の後半戦は、大谷の後を打つ打者が“不在”で、明らかに勝負を避けられる場面が多かった。2016年ドラフト全体1位でフィリーズ入りした逸材。トラウトやレンドンら経験豊富な主力野手がいない現状では、このメジャー4年目の25歳こそが大谷の後を打つのがベストな選択だろう。チームのポストシーズン争いへも、本塁打キングの後を打つ試練を乗り越えてもらうしかない。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)